第25話迷宮狂い、踏破する

「ガアアア!!」


「うるさいぞ」


遺物を振り下ろし、魔物を真っ二つにする




「Bは楽だな。やっぱり」


「そうだな」


「・・・」


滅茶苦茶聞き覚えのある声が右耳から聞こえた




「・・・」


「一日ぶりだな。遺物狂い」


「ヒェ」


思わず声が出る。現在の迷宮狂いの天敵であり、飼い主の西華がそこにはいた


楽なBランク迷宮が、厳しめのAランク迷宮に変わった




(洞窟系の迷宮。毒。怪力。逃げ場。視界不良)


「降参します。ここで毒は勝てません」


土下座しながら、毒はやめてくれと懇願する


「・・・まだ毒無効は無いんだな」


「Aランクの遺物です。毒無効は」


質問に素直に答える。この場所で毒出されたら、逃げ場無くて毒殺される




「まあいい。着いて来い。この迷宮を終わらせる」


「踏破するのか?」


「そうだ。私宛に依頼が来ててな。踏破しろって」


「ああーーーギルド連盟から?それとも」


「私の場合は国からだな。踏破指令が出た」




《ギルド連盟》


迷宮を管理してる組織。それ以上でもそれ以下でもない


国に任せれている為、迷宮に関しては国の一個下ぐらいの決定権を持つ




《踏破指令》


迷宮を踏破し、迷宮活動を終了させろと言う命令


少し不謹慎だが、赤紙のような物だ


拒否することも可能ではあるが、国の命令を拒否するのは非常に難しい




「へぇーー。ここそんなに危ないんですか?」


「逆だ。危険度が少なすぎて誰も来ない。だから迷宮ブレイクが起こりそうなんだ」


「確かにここCランクでもいいですよね。魔物の強さ的に」


「ボスが強い以外の特に特徴が無い迷宮だからな」




《迷宮ブレイク》


迷宮の魔物が一定以上溜まった場合に起こる現象


迷宮の外に魔物が溢れ出し、暴れまわる為、非常に危険である




「じゃあ。俺と一緒に潜ろうか。奥へ奥へと」


ゆっくりと西華へと手を伸ばし、西華の手を握る


「ッハ!ナルシストみたいな仕草だな」


「あなたはこういう仕草の方が好きでしょう?」


「好みだな。後々殴りたくなる」


西華と共に迷宮の奥へ奥へと潜っていく




「お、遺物ゲット」


「剣だな」


「特殊能力は、、火を纏うか。俺は使わないね」


「ランクはCランクだな。売りに出すのか?」


「いや、ギルド連盟の本部前に置いときます」


「本部前にたまに遺物置かれてるけど、あれお前だったんだな」


ドンドンと迷宮の奥へと潜る




「解体」


魔物が肉と皮と骨に分かれる


「・・・それってどうやってるんだ?」


「これです。生きる為のナイフ。この子の特殊効果で」


「フーーーン」


迷宮の奥へと進んで行く




「斬ります」


「グギャアア!!」


「サラマンダーぐらいなら余裕ですな」


「まだその黒剣持ってるのか」


「これCランクにしては相当強いんですよ。硬いし、切れ味もいいし」


「特殊能力は?」


「自己成長」


「お前にとっては微妙だな。いつか仕舞えなくなる」


ドンドンと迷宮の奥へと潜っていく




「ボスですね」


「私がやる」


「秘宝使うんですか?」


「使う。魔物相手には初めて使うな」


「プギャギャギャ!!」


ボスは大きい鳥。見た目はダチョウに近い




「ハァアアアア!!!」


パチュン!


西華が振るった拳が大きい鳥の頭を、ゼリーを潰すかの様に一発で潰れた


「おお」


「いってぇ!!」


西華が痛みに悶える。振るった右腕を抑えながら、蹲る




「大丈夫か?ほら」


「?」


迷宮狂いは自身の指の皮を切り、流れてくる血を西華の腕に垂らした




「・・・・マシになった」


「ヴァンパイアクイーンの秘宝だからね。血は大事よ」


「・・・・」


「じゃあ踏破しましょうか。よいしょっと」


ボスの後ろにある扉を開ける




そこには光輝く石【コア】がそこには合った

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