第21話迷宮狂い、指導する

「なんの用ですかい」

「遺物の使い方を教えてください」

瑠梨に大きく頭を下げられる。そういえばそんな約束をしていたような気がする


「いいよ。瑠梨ちゃんは素直だからね。優しく教えてあげよう」

「わわ!」

わしゃわしゃと瑠梨の頭を撫でる

瑠梨の身長は168か165ぐらいな為、相当撫でやすい


(最初は褒めて褒めて褒めまくって、自信を付ける。精神が安定しないと魔力も安定しないからな)

「今日は優しめの口調で教えてあげるよ」

「よ、よろしくお願いします!!」

小動物を愛でるように、慎重に、じっくり、優しさを染み込ませる



《ステップ1》

魔力とはなんぞや

「魔力ってなんだと思う?」

「遺物を使用でき」

「違う違う。それは使用用途の説明だ。魔力そのもののが何か分かるか?」

「魔力そのもの?」

瑠梨が首を傾げる。初めて会ったツンツンしていたのが、嘘みたいだ


「魔力と見えない血だ。血管とほぼ同じ場所を通って、体中に魔力が駆け回っている」

「そうなんですか?」

「だから使い過ぎたら貧血みたいに、頭クラクラしたりする」

「そうだったんですね」


《ステップ2》

魔力の扱い方

「次に魔力の扱い方だ。これは簡単。血を流し込む感じで、押し出してあげればいい」

「血を押し出す?」

「指とか切ったこと無いのか?傷口から血を多く出す感覚で、筋肉を動かしな」

「・・・あの遺物は持たないでやるんですか?」

「当たり前じゃん。遺物持ってたら遺物に魔力吸われて、練習時間短くなるよ」



数時間後

「おぇぇ!!」

瑠梨がゲロを吐く

「まだ残ってるだろ。早く魔力を使いな」

「ウ!も、もう無理、、です」

「そうか、、、頑張れないか」

悲しそうな声色で、声を発すると


「・・・んぬぅ!!」

瑠梨から魔力が発せられ、空気に空うちされる

「お、空になったな。よくやったじゃん!!」

「え、えへへ」

わしゃわしゃと頭を撫でる。出来ないと言っていたことが出来たら褒める

出来なかったら諦めて、じっくりとやる。それを繰り返して繰り返して

瑠梨は限界を超えた


《ステップ3》

急速なる回復方法

「魔力が切れた場合、滅茶苦茶早く、素早く、魔力を回復させる方法が存在する」

「ウ!はぁ、ウ!、ど、どんな方法ですか?」

「空気にある魔力を吸う。ただそれだけだ」

「空気にある、、魔力を吸う?」


「瑠梨、気づいてないかも知れんが、お前は今空気中にある魔力を吸っている」

「え?」

「これを意識的にできれば、凄まじい回復速度になる」

「・・・」

「コツを掴むまで、俺が手伝ってやろう」

瑠梨の背中に手を置き、魔力を無理やり入れる


「ガアアア!!」

「魔力血管はどこだ?あ、こことここか」

瑠梨が絶叫をあげる

無理矢理魔力を流して込んでいる為、非常に痛い

まあ痛いだけで死んだり、怪我したりは一切ない。ただ痛いだけ



1時間後

「瑠梨ーーー?」

「・・・・」

「気絶しちゃったな、、やりすぎたねこれは」

空はもう暗い。7時、8時ほどの時間だ


「よいしょと」

瑠梨を背負い、学校内へと運ぶ

「あれ?もう鍵閉まってるのか」

(うーーん、、仕方ない。牢屋に連れて行くか。確か敷布団があったはずだ)

牢屋へと足を進める

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