第20話迷宮狂い、血を説明する

ゴ!バキ!ゴ!ゴ!


打撃音が体育館で響き続ける


「!!」


「オラァ!!」


ドス!っと迷宮狂いの前蹴りが西華の腹に突き刺さる




「グォオ!!」


「これで勝ち!!」


左手を天から振り下ろし、西華の頭を地面へと叩き付ける




「勝者、龍桜天満」


「シャアアーーーーーーーー!!!俺の勝ち!!優勝だぁーーー!!」


「クソが、、」


「シャアアアァァアアーーーー!!」


大声を出しながら、頭を地面に付け、ヘッドスピンする




「うぜぇな!!煽ってくるんじゃねぇ!!」


「フゥーーー!!」


「愛しき人、、これ模擬試合です」




説明してやろう!今俺が何をやっているのかを!


時間は遡り、数時間前!先生に説明されたんだよ!遺物使用禁止で戦う授業があるとな!


トーナメント形式で戦い、なんとそこで優勝した者には!


マカロンが貰えるそうなんだ!!


これはもう狙うしかないよね!




で、その模擬戦で優勝がほぼ確実している


西華に勝った。これはもうほぼ優勝みたいなものだろう


「西華に殴り合いで勝てるのって俺以外にいないだろ」


「・・・」


「これはもう優勝したな」




「それはまだ早いんじゃないか?」


糸目の先生とは別の先生に話しかけられる


「どなたですか?」


「私は戦闘系の授業をしている。冨山苺だ。よろしく」


「ふやまいちごですか、、顔に合ってない名前ですね」




その女性はパッと見て分かる


ムッキムキだ。肌を一切露出させていないのに分かる


しかも身長が相当高い西華よりも身長が高い


「190ぐらいですか?身長」


「ギリ200」


「2メートルあるんですか、、はぇーー」




「飼い主は180ぐらいですよね」


「187だ」


「俺、173なんですけど、この先生との身長差は結構好きですね」


「どういう意味だ?」


「こうですね。近寄った時の見下されてるん感が非常に好みですね」


先生に近寄るとイイ感じに見下される。豊満な胸のせいであまり顔は見えないが




「ふむ。龍桜はⅯな奴が多いのかね?」


「おや?もしかして家族に会いました?」


「一回だけな。あれは人じゃねぇって思ったよ」


「でしょうね」


家族を悪く言いたくないが、、うちの家系、龍桜家は非常に変人が多い




自分自身の性癖の為に、迷宮に潜ってる者


理想の彼女を生み出す為に、遺物を研究しまくり、遺物を生み出すことが出来る様になった者


愛する人の為に、世界を滅ぼしかけた者


そして他の人達も変態、変人が非常に多い




「ちなみに女性だったか?」


「女だったな」


「ああーー、俺の次におかしい人だな。その人は」


恐らくだが、龍桜瑠々だ。俺の親戚であり、俺を除いた龍桜家の血筋でも上位に入る変人




「あの子はねぇ、、確か肺と喉に異常があって、眼と筋肉に祝福があったはずだ」


「異常?祝福?」


「あれ?知らない感じですか?」


「なんの話だ?」


呼吸が整った西華も話に割り込んでくる




「うちの家系の話ですね。血の話です」


「・・・」


「うちの血は特殊でね。生まれた時からデメリットがあるんですよ。それがさっき言った異常ですね」


「普通の人にも普通にそういうのはありそうだが?」


「龍桜家ぐらいですよ。生まれた瞬間、全ての子供に異常が見つかるのは」


産まれ持った障害、病気などを龍桜家の人間は持っているのだ。不思議なことに




「で、その異常がデカければ、デカいほど、祝福も大きくなるんですよ」


「そもそも祝福って言うのはなんだ?」


「言い方難しいんですけど、簡潔に言うと優れている部分ですね」


「・・・・そういうことか」


西華は理解できたようだ




「ゲームみたいな感じですね。ステータスを増やせるポイントが普通の人は10ポイント」


「・・・」


「でもステータスをマイナスにすれば、その分だけポイントが増える」


「ああ、、そういうことね」


「まあややこしいですけど、変人であればあるほど強いってことですね。うちの家系は」


別の条件も色々とあるが、ややこしくなるからな。言わないでおこう




ゴーン!ゴーン!


大きく鐘の音が鳴る


「おっと、もう授業は終了だ」


「話しすぎましたね」


「楽しかったですわ」


ひょこっと、祐が現れた




「瑠梨さんがお呼びですわ。愛しき人」


「・・・・なんか約束してたっけな?」


少し疑問に思いながらも、瑠梨の元へと歩いて行く

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