第19話迷宮狂い、会話する
「謹慎かぁ、、、罪軽くね?」
「そうだな」
部屋と言う名の牢屋で、西華と会話する
「ヴァンパイアクイーンはさ、俺が相当優遇されてるのは気づいてるよね」
「・・・・」
「血毒姫?」
「・・・・」
「飼い主?」
「なんだ?」
「飼い主はさ、俺に聞きたいことある?」
「なんでそんなに強さを求めるんだ?」
「素朴な質問だね」
「速く答えろ」
西華は本を読みながら、会話を続ける
「何故強さを求めるのか、、それの説明には一つ、前提となる説明が必要があるな」
「・・・」
ペラペラと本を捲りながら話を聞いている
「俺の性癖ってさ」
「あ˝?」
非常に低い声が西華から発せられる
「下ネタとかセクハラじゃないよ。ちゃんと大事なことなのよ。俺の性癖が」
「・・・」
「話すんだけどさ、俺って人を屈服されてる人に勝つのが非常に好みなんだよ」
「分かる」
西華が強めに同意する
「でも飼い主と若干違うことがあってな。最終的には負けたいんだよ」
「・・・」
「A君をボコボコにしたB君が、強くなって帰って来たA君にボコボコにされて欲しいんだよ」
「私だったらA君をボコボコにした後に、帰って来たA君もボコボコにしたいけどな」
「そこが若干違うね。ちなみ、飼い主にはこれ当てはまらないからね」
この違いは結構大きい。メスガキとロリぐらい違うよ
「飼い主はA君にはならないね。強さ的な問題じゃなくて性格的に」
「・・・」
「飼い主は最初っから強気だけど、馬鹿では無いのよ。調子に乗ってない」
「調子に乗ってる奴をボコボコにしたいのか?」
「そう!で!復讐しにきてほしい!!」
声が少しずつ大きくなっていく
「・・・」
ガチャ!
西華が牢屋の鍵を開け、迷宮狂いに近づき
「お前のテンション高くなりそうだから、早めに落としとかないとな」
「キャーー!いやらしいことされるーー!」
普通に殴られた
「いったぁ!!なんの迷いもない右ストレート!!」
「落ち着いたか?」
普通に痛い右ストレートを食らい。逆にテンションがあがる
「ハハハハ!飼い主は俺の本質を見誤ってるよ!!俺はドSじゃなくてドⅯ系だよ!」
「ああ、そう」
天満の喉を西華の手が覆う
「・・・やめて」
「涙目になるな。お前の演技の上手さはなんなんだよ」
「ちぇ、そのまま締め上げてもいいんだよ」
「私がするのはお前が大声を出しにくくすることだ。大声出すのには大きく酸素を出さないとダメからな」
そのまま喉を手で覆いながら会話を続ける
「飼い主、背が高いから体重も重いんだよね」
「戦闘においては体重は重いほうがいいぞ。ある程度まではな」
「戦い方によって違うだろ」
「早く答えてくれるか?なんでそんなに強さを求めるのか」
別の話に脱線しそうになった所で、無理矢理話を戻す
「最初は性癖の為に強くなってたんだよ。でもいつの間にか強くなるのが目標になってた」
「ふーーん、嘘はついてないな」
「その感情を見る奴、嘘分かりにくいでしょ」
「混ぜられたら分からんな。まあ遺物を信じすぎるのもあれだから。いつもはあまり使わん」
遺物は信用してはいけない。遺物は強いが道具だ。道具を信用するのはいいが
心酔するのは駄目だ。道具は道具。その認識を忘れてはいけない
「そういえば、お前ってどこまで拘束具解除されてるんだ?」
「Cランクまでだな。あ、そうだ!!思い出した!瞬間移動だ!瞬間移動!」
「あ」
瞬間移動、黒ずくめのボスが使っていた遺物だ
「飼い主止めてたはずだよな」
「・・・あいつ分身だったんだよ」
「分身、、そういうことか。なんか雑魚敵多いなって思ってたんだよ」
「?」
あまり西華はピンと来ていない様子だ
「分身使って、遺物の効果の対象を増やしたんだ。多分だけど、本体の半径なんぼにいる人間をワープさせるみたいな」
「それが分身にも適応されたのか」
「なんか瞬間移動系の遺物しては、移動させれる人数多いなって思ったんだよ」
「ふーーん」
ぶっちゃけ瞬間移動系の遺物は、5,6人移動させれるのが限界だ
一応30人ぐらいまで移動される遺物を見たことあるが、それにしては雑魚敵が多かった
分割で瞬間移動させたのかと思っていたが、分身ならそれも解決できる
「で、なんで飼い主はボスを逃がしたんだ?」
「言っただろ。分身だったって」
「・・・・あ、戦ってた奴が分身だったってこと?」
「そうだ。殺したと思ったら、霧みたいに霧散していってな」
その後も特に役に立たない話をし続けた
「ボス、迷宮狂いはどうでした?」
「あれは怪物だ。人の所有物を使っていた」
「やはりですか。計画を書き直さないとですね」
「怪物を殺せるのは怪物だけが、、、」
「現状確認されている怪物は、、一人のみ。迷宮狂いだけですね」
「頭痛がするよ」
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