第14話迷宮狂い、嘘を吐く

「愛しき人、血毒姫は大丈夫なんでしょうか?」


「大丈夫だろ。俺の飼い主に認定された女だよ?あれぐらい倒せないと俺も殺せないよ」


「ころッ」


「多分だけど、本気出せば。第二段階まで拘束具を解除した俺でも死ぬよ。それぐらいには殺傷能力が高い子だからな。飼い主は」


ニヤニヤと笑いながら迷宮狂いは話す。その表情は楽しみが増えた子供のようだ




「瑠梨!杖貸せ。教師陣を救いに行くぞ」


「ど、どうぞ!」


「ありがとう。しかし、男手が欲しいな。お前ら二人守って戦えないぞ」


祐と瑠梨を見ながら考える






√西華臥竜


「どうした?怖気づいたのか?」


「そうだな。怖気づいたよ、、始めてみる遺物だからな」


「そうか。じゃ、死ね」


毒の霧が西華を中心に、急速に広がっていく




「吸ったら即死かな?」


「毒の耐性が無いならそうなんじゃないか?まあ、もっとも」


西華は指を黒ずくめのボスに向け


「耐性なんてものは私には関係ないがな」


指から毒液が発射される




「!!」


毒液は黒ずくめのボスの服に命中し、凄まじい速度で服を溶かしていく


「ッチ!」


「判断が速いな。だけどもそれは予想できる」


黒ずくめのボスは急いで服を引きちぎるが




「もう一発だ。スピードをあげる遺物は所持しているかな?」


「・・・」


黒ずくめのボスの姿が消え去る


「・・瞬間移動か。でもさほど距離は離れていないな」


「・・・貴様、、なんの遺物を使っている?」


背後から黒ずくめのボスの声が聞こえる




「防御寄りの遺物を使う時は、相手に攻めさせないとダメだろ」


「バリアを貼ってる遺物は、、お前が原因か」


「遺物狂いが貼れる訳無いだろ」


目に意識を集中させ、しっかりと見てみると


少しだけ、薄っすらとした壁がそこにはある




「四角のバリアだな。地面までに貼っているタイプだ」


「よく気づいたな。ご褒美をやろう」


「有難く、受け取ろう」


黒ずくめのボスは落ちてある。斧使いの斧を拾い。振るうが




「・・・・」


「バケモンが」


振るった斧は、西華に届くことなく、溶け落ちた


「大人しく死ね。遺物持ってない奴が私に勝てる訳無いだろ」


「その毒霧、維持が大変そうだな。このバリア内に充満するまえに」


「遺物の耐久限界が来るって言いたいのか?」




「耐久限界は来ない」


「・・・」


「理由は言わん。敵に情報渡すバカでは無いからな」


毒理がドンドンと大きくなる。逃げ場が消え去る




「遺言を聞いてやろう」


「・・・天災は起こる」


「じゃあな。学園を襲ったことを地獄で悔め」


毒霧が黒ずくめのボスを覆う






√迷宮狂い


「なんか貼られてますわ!!これが俗にいう!バリアですわね!」


「バリアか、、相当珍しいな。しかもこれ、瞬間移動すら通さないやん」


「・・・龍桜、なんでそれが分かるの?」


瑠梨が苗字を呼び、話しかけてくる




「色合いで分かる。おし、お前ら離れとけ。破る」


「はいですわ!」


「えっと、、あったあった。飼い主から出た毒」


瓶にはどす黒い色の、毒が中には入っていた




「これを数滴垂らすと」


バリバリバリバリ!!!!


バリアが凄まじい音を立てながら、割れていく


「よーーーし。突破だ」


「・・・」「・・・わあ」


祐と瑠梨は、大きく口を開け、馬鹿みたいな表情になっている




「やっぱ飼い主の毒、Sランクだな。強すぎるだろ」


中身の無くなった瓶をそこら辺に捨て、前へと進んで行く


「・・・武器は黒剣、白剣、生きる為のナイフに、杖だろ。足りるかな?」


「・・・」


空中にいる何者かと目が合う




「補助系の遺物持って無いですか?」


「誰だ。貴様」


「俺か?俺は西華臥竜。知っている通り、この学園の血毒姫だ」


「・・・血毒姫は女と聞いていたんだがな」


「いまちょっと事故って言うか。遺物の反動で性別変わっちゃってね。面倒なことに」


ナチュラルに嘘を付く。ちなみに理由は特に無い。面白そうだから嘘を付いた




「・・・」


「こっち来いよ。目を合わせて喋ろうぜ」


「毒使い相手に近寄るわけが無いだろう」


「え?なんて?遠すぎて聞こえないよ」


またも嘘を付く




「毒使いに!!近づくバカが居る訳ないだろう!!頭を使え!!」


「うるせぇ!大きい声出すな!」


「・・・」


スーーっと空中を移動し、空中に浮いている男が近づいてくる


その男の腕は少しだけ震えている




「血毒姫、、お前を殺す」


「怒りすぎじゃない?カルシウム足りて無いよ」


突発的に戦闘が始まった


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