第12話迷宮狂い、駆け巡る
「あっちだな」
「ッチ!」
「どうした飼い主、舌打ちなんかして」
「・・・・なんでもないわ!!はよ進め!」
「??」
謎に怒っている西華を振り切り、壁を全力で走る
「いたいた!!」
「!?何故壁で!」
「瑠梨!手を!」
「え?え!」
訳も分からずに手を伸ばす瑠梨
「行くぞ」
手を引き寄せ、壁を全力で走り、祐の元へと走っていく
地形的に壁を走った方が速いんだよな。てか、この学園ごちゃごちゃしすぎだろ
何個建物あるねん。移動しにくいわ
「よいしょっと」
「ひえーー!」
時間制限はまだまだある。てか飼い主遅いな。壁走れないから仕方ないけども
迷宮狂いは華麗に壁を渡り走り、そこら辺にいた雑魚敵もついでに倒しながら
祐の元へと走っていくが
「ここ広すぎだろ!!10分ぐらい走ってるぞ!!」
「落ちる落ちる!!」
「おっとすまん」
10分ほど建物の壁や屋根を経由して走っているのに、一向にたどり着かない
物理的に遠すぎる
「瑠梨、少し本気で走る」
「・・・」
ギュッと手を両手で握りしめてくる瑠梨
その手は少し震えている
「手伝ってくれ。遺物達」
遺物の力、魔力が体を駆け巡る
「遺物起動、少年の夏」
少し汚い小さなマントを羽織り、空中へと飛ぶ
【少年の夏】
皆も考えたことはあるだろ!夏の綺麗な快晴の空を見た時に!
飛んでみたいな、歩いてみたいな、そんな少年の夢を叶えるのがこの遺物だ!
3歩だけ空中を歩けるのがこのマントの効果だ!!
「3歩歩ければ、俺には十分!!」
「速い!速い!!」
空中を3歩歩けるこのマント、実を言うと面白い能力が合ってな
ジャンプすれば3歩はリセットされる
この裏技に近い能力に寄って、事実上無限に空中を歩けるんだ
「歩くって言っても走ってるんだがな。ハハハハハ!!!」
「空中に誰かいるぞ!!」
「おっと、雑魚的に見つかったか」
下から雑魚敵の声が聞こえる。目標の祐まではあと少しだ
「無視で!」
「了解だ!」
瑠梨が無視しろと言ってくる
瑠梨が急に喋るなんて、なにか嫌な予感でもしたのか?
それとも祐に身の危険があるのか?
まあとりあえず。向かってみようか
√西華臥竜
「あいつ速すぎるだろ。こっちが全力で走ってるってのによ」
口でゆっくりと呼吸しながら、少しだけ走るスピードを落とす
「身体能力の差、経験の差、知識の差、全てで負けている気がするな」
心の中でも考える。どうすればあいつに勝てるのかと
「秘宝、、、」
自分の胸の奥底にある秘宝に意識を向ける
「これが使えれば、、私も中二病な剣持った男も倒せた。いや、いい訳は駄目だな」
考えを口に出しながら、決意を固め、整理する
「フゥーーーー、行くか。あいつ以外には負けたくないからな」
ドォーーン!!ドカァン!!
何かが壊れる音と共に、あいつの分かりやすい笑い声も聞こえる
「あっちだな」
声のする方へと走っていく
「ハハハハハ!!いいねぇ!黒剣の持ち主よりも強いよ!戦闘系の遺物で固めてるからかな!」
「ッチ、、面倒な奴に絡まれたな」
「やっちゃってください!愛しき人!私をボコボコにしてきた人をボコボコにして下さい!!」
「雑魚がペチャクチャペチャクチャうるせぇよ!!」
迷宮狂いは大きな大斧を振るう者の、攻撃を華麗に、美麗に躱し続けている
「・・・あいつの回避センスは芸術だな」
「血毒姫!!」
「よそ見厳禁」
ゴシャ!
「グゥ!」
黒ずくめの斧使いは、私の方を見た瞬間、顎に蹴りを貰っている
その辺りで気づき始める
「あいつ、数十個遺物使って無いか?」
あり得ない事実に気づいてしまった
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