第10話迷宮狂い、事件に巻き込まれる

「この遺物の名前は無影と言いまして、影を消すことが出来る遺物ですね」


「はいはい!」


「はい。龍桜さん」


「影を消すだけじゃなくて、気配も消せます!気配系の遺物には劣りますが!」


「・・・そうなのかい?」


「はい」


はっきりと迷宮狂いは返事する。昨日色々合ったのが嘘みたいにまともに授業を受けている




「君に遺物の知識量で勝てる人はいないね、、」


「まあ7年ぐらい潜ってますからね」


「ただ、先生からのお願いなんだけど、あんまり喋りすぎないように」


「あ、すみません。遺物について語りすぎましたか」


「知識量が凄いのは分かるんだけどね。授業には必要のない知識が多いからさ」


先生に注意され、自覚する。喋りすぎだと言うことが




注意しないとな、、授業を長引かせるのもダメだしな


確か、遺物専門の教授だっけ?がいたはずだから、その人と話そうかな


「おっと、もう時間だ。今日の授業はここまでだ」


「遺物狂い、晩飯食べに行くぞ」


「飼い主、晩飯食べた後に遺物に詳しい教授に会ってみたいんだが」




その言葉に西華は沈黙する


「・・・」


「嫌そうな顔ですな」


「マジで嫌」


「話は聞かせて貰いましたわ!」


ひょこっと祐が会話に割り込んでくる




「私のお爺様に会いたいのですね!」


「お前の爺さんここで働いてるんだな」


「実質結婚報告ですわ!」


「飼い主、それでその爺さんはどこにいるんだ?」


祐の言葉は完全に無視し、会話を続ける




「研究室だ。そしてその爺さんは癖が相当凄い。後匂いも凄い」


「腐敗臭でもするのか?」


「多分腐ってはいる。遺物を自分で実験するイカレ爺だからな」


「・・・飼い主の体もべたべた触られたのかな?反応的に」


俺がその爺さんなら飼い主の遺物は非常に気になるからな


効果すら知らないから抑えられてるけど、効果知ったら多分触る




「お前とは波長が合いそうだな。あと体は触られてない。触る前に麻痺毒で動き留めた」


「昨日飲まされた奴?」


「えっちな話ですか!?」


「あいつも眠らせてくれ。うるさい」


祐を黙らせ、教授の元へと足を進める




「おい爺!!客だ!!」


「なんじゃ?うるさいのぉ、、!!」


「!!」


爺と目が合った瞬間気づく




(この爺!俺と同じ種族だ!)


「・・・」


「・・・」


両者とも無言で手を差し出し、握手する


「爺さん。名前を聞いても?」


「伊勢だ。お主の名は?」


「龍桜天満、迷宮狂いと呼ばれている」




「ほう。お主があの遺物狂いの迷宮狂いか」


「そうだ。遺物狂いについては知らんがな」


「・・・爺、このコーヒー腐ってるだろ!不味すぎ!」


「なに勝手に人の飲み物、飲んでるんじゃ!!」


西華は勝手に人の冷蔵庫から飲み物を取り出していた




「たく、、珍しい遺物じゃなければすぐに追い出すと言うのに」


「伊勢さん。飼い主の、西華の遺物ってなんだなんだ?」


「ヴァンパイアクイーンの秘宝。簡単に言うと、物語の吸血鬼になれる遺物じゃ」


「・・・・」


「なんだ?近づいて来て、触らせないぞ」


ジロジロと西華を見る。迷宮狂い




「おかしいな、、秘宝特有の気配がしないな」


「そうなのか?」


「はい。そもそも秘宝って遺物の中でも強い力を持った遺物を秘宝って呼んでるんですよ」


「常識じゃな」


「だから、強い遺物特有のオーラー?ってのがあるんですが」


西華からはその気配が一切しない。消す方法もあるにはあるが




「飼い主が持ってるとは思えないんだが、、」


「今、馬鹿にしたか?」


「してません。そのオーラーを実質的に消せる遺物があるんですが性格上持って無さそうなんで」


ちなみに俺も秘宝は数十個持っている。国が数個しか保有してないものを数十個持ってる


秘宝特有の気配は一切出していないから気づかれていないが




「他の遺物と中和されてるのか?それとも条件付きの秘宝か?」


「条件付きの秘宝だと!?」


伊勢が驚く。その声に少しビックリする




「通常の遺物では確認されているが、秘宝では確認されていないぞ!」


「遺物狂い!!」


西華に体を引き寄せられ、ハグされる


そして次の瞬間




バァーーン!!ドォーン!!


爆発音と銃撃音が響く


「敵襲!?」


「そばにいろよ。離れるな」


「・・・飼い主!医務室行くぞ!」


「はぁ!?」




「医務室に瑠梨がいただろ!」


「・・ああああーーもう!行くぞ!逃げるなよ!ロック解除!」


拘束具が緩み、一段階目まで解除される


「生き残ることを最優先!爺さんもな!」


「ハ!何十年生きていると思ってのだ!」


急いで医務室へと向かう


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