第9話迷宮狂い、興奮する
「先生、保健室に飯持って行っていいか?」
「医務室ね。別にいいよ。汚さなければ」
「感謝感謝」
「誰も食べるんだ?」
先生が疑問と言うか、探りを入れてくる
「・・・名前なんだっけ?」
「瑠梨だ。西城瑠梨」
「西城さんか、、はっきりと言おう。君と一緒にいたら面倒ごとが絶対に起こるよ」
「名家ぽい名前ですね。面倒ごとは無視するか、無理矢理対処しますよ」
「関わらないと言う選択肢は?」
先生は強めの口調でそう言う
「無い。諦めて下さい」
「・・・そうか、、傷つけたりしたらダメだよ。女の子だからね」
「分かってますよ」
職員室から医務室へと戻る
「ハロー」
「お帰り、、帰ってこないと思ってたよ。ははは、、」
「大丈夫だって。そばにいるよ」
「ッフ」
俺の発言にツボったのか、後ろで飼い主が声を出さずに笑っている
後でしばく
「なんか楽しい話をしよう。最近会った嬉しいことは?」
「今、人とご飯食べるのは、久しぶり」
「そうか。俺の最近会ったいいことは、この学園に入学できたことだ」
「そうなの?」
「ああ、人とも久しぶりに会話してたし、飯もゆっくり食べれた」
「迷宮にいた時の俺は、人じゃなかった」
「人じゃなかった?」
「戦って、寝て、戦って、食べて、寝て、戦って戦って戦い続けてた」
「辛くなかったのか?」
「全然?俺にはそれが日常だったし、遺物が近くにいたからな」
西華と瑠梨は静かに話を聞いている。少し同情している様子だ
「俺には目標が合ってな。世界で一番大きい迷宮の奥底にある。ゼロの秘宝が欲しいんだよ」
「ゼロの秘宝?」
「・・最初に生まれた遺物であり、なんでも願いを叶えることが出来る遺物であり、秘宝」
「そう!それを使って俺は、覚醒者、魔力を使ってみたいんだ!」
「??」
《覚醒者、遺物を使え、魔力を保有している者を指す
遺物を使えとあるが、ぶっちゃけ遺物は魔力が無いと使えない
だから魔力を保有している者を指す言葉として扱われている》
「え?お前遺物使ってるじゃん」
「俺、魔力無いよ!でも遺物が使えた!」
「・・・怪物だな、、あり得ないぞそんなことは」
「ハハハハ!!でも使えた!だから気になる!俺が魔力を持ったらどれだけ強いのか!」
迷宮狂いの声がドンドンと大きくなる
「俺は先祖と同じで最強を求めているみたいなんだよ、、この血の定めか!!」
「・・・声がデカいぞ」
「分かってるよ!!でも抑えられないんだよ!!俺は理性が人よりも弱くてね!!」
「・・・」
髪の毛が逆立つ、心が高ぶる
「でも残念ながら!!一番デカい迷宮はどこにあるのか!分からない!!」
「遺物狂い!」
「でも!!!探し出すさ!!!!ゼロの秘宝を!!!!それが俺の夢だ!!!!」
「寝てろ!」
西華に口を押えられ、何かを流し込まれる
「ウウウ!!」
「・・・」
「ウ、ウウ」
意識が段々と薄くなる、、意識が消え去る
「鼓膜が破れるかと思ったぞ、、不気味な威圧感も出しやがって」
その言葉だけが最後に聞こえた
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