第8話迷宮狂い、友達ができる

「飼い主、そこのパンくれ」


「はい」


「水も一緒のくれ」


「はい」


「私のご飯盗らないで、、」


病室のベットで動けなくなっている迷宮狂いの代わりに、ご飯を盗ってくれる西華




「私の晩御飯、、」


「これ間食じゃないのか?もっと晩御飯は多めに食べた方がいいぞ」


「もっと食べないと、だから体重が軽いんですよ」


「なんで盗った人達がこんなに言ってくるの、、」


晩御飯を盗られた娘、瑠梨は少し涙声で言葉で発する




「まあ。体治ったら一緒に晩御飯食べに行こうぜ」


「嬉しい、、」


「ちょっろ」


メンタルがブレイクしたのか、瑠梨は非常に素直になった


憑き物が落ちたと言うべきか、諦めが付いたと言うか、とりあえず素直にはなった




「父さんに怒られるだろけど、なんだろうね。あんまり怖くないや」


「・・・飼い主、この子大丈夫か?自殺しない?」


「両親刺し殺して、自殺しそうな気配があるな」


「拘束しといたら?」


「ああ、怪我させられる」


「穢す訳無いだろ。女同士だぞ」


西華が瑠梨をロープで拘束する。拘束すると言っても手首だけだが




(傷は大分治ってた来たな、、この拘束具、完全に遺物の力は封じれてないな)


迷宮狂いの遺物の一つに、所持しているだけで治癒力を爆増させる遺物がある


その遺物の効果が100分の1、いや10000分の1ほどの効果に抑えれてはいるものの


少しだけ効果が漏れ出ている




「飼い主、俺今日寝れるかな」


「なんだ急に」


「いや最近昼から夕方まで寝てるじゃん。寝すぎて夜寝れるのかって話よ」


「・・・前から思ってたが、お前結構馴れ馴れしいな。会って3日目ぐらいだぞ」


「友達いなかったから、距離感が掴めなくて、、、」


しょんぼりとした表情を見せる迷宮狂い




「逆に友達いたら驚きだろ。10歳から迷宮潜ってるイカレ野郎の友達って」


「今年で7年目ですよ。迷宮にいるのも」


「・・・あなたは凄いんですね。それに比べて、私は」


「マイナスなことは口に出すな。俺の気持ちが不愉快になる。プラスのことだけ言ってくれ」


「・・・・はい」


人の心が無い寄りの男、迷宮狂いでも心配になるレベルで瑠梨のメンタルは不安定だ




(なんで今日会ったばっかりの奴の心配をしないといけないんだか、まあ助けるけども)


「なんでお前は自身が無いんだ?親が一位であれってずっと言い続けてるのか?」


「逆、お前には期待してない。兄の為に動け。お前は道具だって言われ続けてて」


「・・・」


全力で思考を回す迷宮狂い。選択しを間違えた場合、瑠梨が死にそうだから、全力で思考する




「遺物の使い方を教えてやろうか?」


「え?」


「犯罪者の俺が言うのもなんだけども、世界で一番遺物使うの上手いよ。俺」


「・・・」


西華は静かに、気配を消しながら、話聞いている




「・・・本当にいいんですか?」


「いいよ。全然、どうせ暇だし」


「3日目で暇って」


「お願いします。私に遺物の使い方を教えてください」


「はいよ。まずは傷を治すのが先だがな」


ベットからゆっくりと立ち上がり、瑠梨に近づく




「よろしくな。瑠梨」


手を差し出す


「よろしくお願いします」


「・・なんでお前の傷治ってるんだ?」


西華に背中と胸をべたべた触られる。流石に回復が早く怪しまれている




「俺の血統的にしぶといので」


「血、、あ。そうか。お前の苗字あれだったな」


「じゃあ。晩飯食べるか。晩御飯」


「今日はちゃんと奢ってやるよ。怪我させたしな」


「ここって料理持ってきたいいのかな?」


「医務室の先生に聞けばいいんじゃないか?」


雑談しながらも、先生たちがいる。職員室へと向かう

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