第5話迷宮狂い、喧嘩する

「おばちゃん!このカレー美味しいね!!」


「ありがとうねぇ!!おばちゃんその言葉が嬉しいよ!」


「明日は別の料理頼むね!」


「ハハハハ!だったら明日は頑張って作らないとね!」


楽しくおばちゃんと会話をしている横で




「・・・」


「・・・」


飼い主と金髪ツインテールが睨み合っている




「飼い主よ。おかわりはしていいのか?」


「駄目だ。お前を毒付けにしたせいで小遣い減らされてるんだよ」


「因果応報ですね。パツキン、奢ってくれないか?」


「!!」


そう言った瞬間、凄まじい速度で財布を取り出した金髪ツインテが二千円をくれた




「わーーい」


「ふふふ、飼い主としての格は私の方が上ですね」


「なんの勝負だよ」


「おばちゃん!得意料理頂戴!」


「おばちゃんの得意料理!かつ丼だけどいいかい!?」


「いいですよ!!」




「で、この人って誰ですか?」


「ナ!この学園に居て!私を知らないのですか!?」


「キャラ濃いですし。みんな知ってそうではありますね」


「ッハ」


「血毒姫!今鼻で笑いましたね!!」


血毒姫、恐らく西華のことだろう




「誰が!血毒姫だって!!」


「ピエ」


金髪ツインテが西華に持ち上げられる。少しだけ体が震えている


「私がその二つ名を嫌ってることを知ってるよな!!」


「ピ!ピエエーー!!」


金髪ツインテが鳴き声をあげる




「毒毒姫?」


「あ?」


「いや、血毒姫が嫌なら毒毒姫かなって」


「誰が姫だ!!」


「あ、怒ってる所そこなんだ」


珍しいな、、姫って所に怒ってる人




「血毒の女王?」


「・・・」


二チャーーっと笑みを浮かべる西華。不吉なことを考えている顔だ


「あ」


ゆっくりと地面に降ろされる金髪ツインテ




「かつ丼だよ」


「あ、ありがとうございます。おばちゃんは早く離れた方がいいですよ」


「ハハハハ!心配しなくても、もう離れるよ」


豪快に笑いながらおばちゃんが離れる


喧嘩を見るのは慣れてるんだろうなっと迷宮狂いは思う




「ロックを解除してやるよ」


「マジ!?」


「一段階だけだがな」


「うーーーん、無いよりはマシ」




一段階目で使える遺物は戦闘用の物が一切ない。一個だけ武器として使えるかな?ぐらいだ


一段階だけ解除した場合


S、A、B、C、E、FのうちのEとFの遺物ランクの物だけ使える




「手入れ用の物ばっかなんだがな」


「安心しろ。遺物は使わずにボコボコにしてやるよ。ロック解除」


「ハハハハ!!バカだなお前は!」


唯一使える戦闘用の遺物を取り出す




「俺が遺物使ったら世界一位の強さだぞ」


「!!」


一段階解かれたことにより出せた遺物は、【生きる為のナイフ】




説明しよう!状況をな!


俺こと迷宮狂いはある遺物を体のどっかに所有しているんだ!


その遺物の効果を簡単に説明すると、なんでも保存出来て、いつでも取り出せる鞄だな!


本気で使おうとすると拘束具を全て解除しないとダメだが


取り出すぐらいなら一段階目でも可能だ






そして取り出した遺物は【生きる為のナイフ】


効果は単純明快!硬くて切れ味がただ鋭いナイフだ!


特殊効果もあるにはあるが!人間相手には一切使えない!


遺物ランクはE!




「斬るぞ。飼い主!!」


ナイフを振るう


「なんだと!!」


思った以上に素早い攻撃に驚いた様子を見せる西華




「ク!」


「甘いでっせ!」


西華の拳はナイフで防ぎ、距離を取った西華相手に前蹴りを叩き込む




「毒使う相手を触るわけ無いだろ」


「ペットごときが!歯向かいやがって!!」


「!!」


鼻を知っている匂いが刺激する




毒だ!しかも俺が瀕死にされた毒!!


「だけど!今の俺には悪手だぞ!!」


遺物、【俺達は風の一部だ】を取り出し、遺物を使用する




【俺達は風の一部だ】


見た目はただの布!緑色のな!効果は普通、使用者の背後から強風を起こす!


ただそれだけだ!!遺物ランクはF!




「その毒、自分から発生してるだろ。毒霧は消しましょうか!!」


「風!!」


毒の心配はしなくて大丈夫だ、、後は、てかそろそろ来るだろうな




「なんですか!?この騒ぎは!」


「学園長!俺の拘束具は一段階外れてますよ!!」


「ロック!グラビティ!!」


「グエ!」


「グ!」


拘束具がロックされ、西華と迷宮狂いの近くに重力が重く圧し掛かる




「またですか!今日で2回目ですよ!!西華も何故ロックを解除した!!」


「グゥ!」


「そうだぞ!なんで俺の拘束具を解除した!」


頑張って這いずり、重力の外へと出る迷宮狂い




「全く、他の生徒に被害が出るかも知れないんですよ!!」


「なんでお前が説教してくるんだよ!!」


迷宮狂いが先ほどまで座っていた椅子に座りながら、西華に正論をぶつける




「かつ丼が冷めたらどうするんだ。これ一応人の奢りなんだぞ」


「それを食べ終わったら!さっさと部屋に戻りなさい!!それと!」


学園長がキッと西華を睨みつける


「次に問題を起こしたら!!鍵は別の人に移します!!」


「クソ、、分かったよ!」


毒霧をまとめて消した学園長はまたどこかに行った




(ふーむ、なんで俺に罰則が無いんだ?なんか怪しいな)


そんなことを疑問に思いながらも、かつ丼を貪る










「カッコいいですわ、、」

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