「レースとシルクの密語」
さくらハウスのリビングは、柔らかな夕暮れの光に包まれていた。鷹宮澪、小鳥遊詩音、月城にこの三人が、珍しくも赤裸々な話題で盛り上がっていた。
澪は仕事から帰ってきたばかりで、スーツの上着を脱ぎ、ブラウスの首元のボタンを緩めている。彼女の胸元からは、上質なレースの縁取りが僅かに覗いていた。
「ねえ、みんな。最近、新しい下着買った?」
澪が唐突に切り出した。
「えっ、澪がそんなこと聞くなんて珍しいね」
詩音が驚いた様子で言う。彼女はいつものように大きめのTシャツとショートパンツ姿。その下に何を着けているかは、想像するしかない。
「そうね。でも、いい質問だわ」
にこが賛同した。彼女はシルクのパジャマ姿で、その上質な生地の下にも、きっと洗練された下着を身につけているのだろう。
「実は、最近仕事用の下着を新調しようと思ってて」
澪が少し照れくさそうに言った。
「へえ、どんなの探してるの?」
詩音が興味津々で尋ねる。
「そうね、機能性重視かしら。長時間着けても苦しくないもの。でも、やっぱりデザインも大切よね」
澪の言葉に、にこが頷いた。
「わかるわ。私も仕事用と普段用を分けてるの」
にこは立ち上がり、自室からいくつかの下着を持ってきた。
「見て。これは仕事用よ」
にこが見せたのは、上質なシルクのブラジャーとショーツのセット。ベージュを基調としたシンプルなデザインだが、レースの縁取りが上品さを演出している。
「わぁ、素敵」
詩音が目を輝かせる。
「ええ、これならどんな服の下でも響かないし、着け心地も抜群なの」
にこが誇らしげに言う。
「私も見せてもいい?」
澪も自室から下着を持ってきた。彼女が選んだのは、機能性重視のスポーツブラと、シームレスのショーツ。
「これ、すごく動きやすいのよ。長時間のデスクワークでも苦しくならないし」
「へえ、でも意外とかわいいデザインだね」
詩音が感心したように言う。確かに、機能性を重視しつつも、さりげない花柄のプリントが施されている。
「詩音は?」
にこが尋ねた。
「えっと、私は……」
詩音は少し躊躇したが、結局自室から下着を持ってきた。彼女が見せたのは、カラフルなプリント柄の可愛らしいブラジャーとショーツのセット。
「わぁ、詩音らしいわね」
にこが微笑む。
「うん、着けてるだけで元気が出るんだ」
詩音が嬉しそうに言う。
三人は、それぞれの下着について詳しく語り始めた。
「私ね、最近ノンワイヤーブラにはまってるの」
澪が言う。
「長時間着けても痛くならないし、自然なシルエットが出せるのよ」
「そうなの? 私もちょっと試してみようかしら」
にこが興味を示す。
「でも、私はやっぱりワイヤー入りじゃないと不安なんだよね」
詩音が言った。
「胸が小さいから、少しでもボリュームアップしたくて」
「わかるわ。でも、最近のノンワイヤーブラは形をキープする技術が進歩してるのよ」
澪が説明する。
話は下着の素材にも及んだ。
「私は肌触りにこだわるから、シルクやオーガニックコットンが好きなの」
にこが言う。
「確かに。でも、私は速乾性のある素材が好きだな。汗をかいても快適だし」
澪が付け加えた。
「私は、とにかく可愛いデザインに目がいっちゃうんだよね」
詩音が少し照れくさそうに言う。
「でも、着け心地も大切よ」
にこが優しく諭す。
「そうだね。可愛くて着け心地もいいものを探すのが理想かな」
詩音が頷く。
三人は、それぞれの下着選びの基準や、お気に入りのブランドについても語り合った。
「私は、フランスの老舗ブランドが好きなの」
にこが言う。
「デザインが洗練されているし、着けてるだけで自信が持てるのよ」
「へえ、私は日本のブランドが多いかな」
澪が答える。
「日本人の体型に合わせて作られてるから、フィット感がいいの」
「私は、可愛い系のブランドが好き!」
詩音が元気よく言う。
「ポップな色使いとか、キャラクターものとか」
話が進むにつれ、三人はそれぞれの下着に対する思いや、こだわりを赤裸々に語り合った。
「でも、やっぱり一番大切なのは自分に合ったものを選ぶことよね」
にこがしみじみと言った。
「そうだね。体型も好みも人それぞれだもんね」
詩音が同意する。
「そして、TPOに合わせて選ぶことも大切ね」
澪が付け加えた。
三人は、この予想外の話題で盛り上がりながら、女性としての悩みや喜びを共有していた。下着という私的なアイテムを通じて、彼女たちの絆はより深まったように感じられた。
「ねえ、今度みんなで下着屋さん行かない?」
詩音が突然提案した。
「いいわね。お互いにアドバイスし合えるかも」
にこが賛同する。
「そうね。私も新しいものを探してみたいわ」
澪も頷いた。
窓の外では、夜の闇が深まりつつあった。さくらハウスの三人は、この赤裸々な会話を通じて、女性としての自信と個性を再確認したようだった。それは、彼女たちの日常に新たな彩りを添える、かけがえのない時間となったのだった。
(了)
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