タンスお化けの聖女様、伝説の勇者にお影響を、お与えになりますわ。

@Lemonginger

第1話

~2900年現代 飛行機の中~


「2XXX年世界は大きく一変した。

世界中にダンジョンと呼ばれるものが突如出現したのだ。


ダンジョンの中には想像を絶する魔物が存在し、人類滅亡の危機に陥った。

だが、それに対抗するかのように、ある一定の人間は魔法やスキルが使えるようになった。


それにより再び人々は安定した生活を取り戻し、今ではダンジョンからとれる資源は我々に素晴らしい恩地を与えてくれている。


そしてその資源を採取する冒険者、彼らの稼ぎ図りしれない。

世界の億万長者の半分は彼らだ。まさに今将来なりたい職業NO1といえるだろう。是非わが勇者カンパニーへ・・・」



アナウンスを適当に聞き流しながらシャルロッテは眠りにつく


そんな稼ぎはS級の一部の人間だけだ。

今ではダンジョンは日本政府に完全に管理され、ダンジョン内の資源には多額の税金がかかる。


謎の「ダンジョン税」も発生し90%以上を日本政府がもっていく


1日頑張ったところで1000円稼げればいい方だろう。


低級ランクの冒険者は今や副業としても向かない職業だ。






「ただいまー」


「あら、シャル早かったわね。荷物は自分の部屋にね」


「はーい。」


あー。久しぶりの帰省だな。やっぱり実家はいい、なんか落ち着く。


シャルロッテは只今、絶賛お盆の帰省中である。

普段は古本屋を営んでいるが、毎年この時期になると親の顔を見るために帰省する。


まあ、友達もあまりいないし、帰って来たところで何もすることがない。

ということで一日中引きこもりになる。


「さて、優雅な引きこもりになりますか」


お風呂上りの恰好のまま、優雅で何も気にする必要のない、ダサい部屋着を取り出そうとタンスを開ける


スっとタンスを開ける


すると中からスッとが出てきた。


・・・・


。。。。。。。


両者ほぼ裸の状態でのシュールな見つめあい。

長い時間が流れる。


パタン。


は?いや?は?なんかタンスに白いやついたんだけど?

え?何?


今度はゆっくり慎重に開ける。

タンスの幅80cmくらいにみっちり詰まった1匹の白いお化けがいる。


「うわ」


バンと急いで閉じて

ダッシュで逃げる


だだだだだだだだだだ


「お母さんーー部屋に、部屋になんかいるんだけどーーーーーーーーー」


「あんた、またそんな恰好で、もう34歳でしょ?いい加減そんな恰好・・」


「いや。そんな話してる場合じゃないって、いや、まじで。まじで、やばいのいるんだって」


「もう、外にポイするなりしなさい、今夕飯作ってるから手が離せないの」


「いや。虫じゃないんだって。なんていうかな・・・こう白くて」


「あーそういえば、冷蔵庫にきなこ餅あるわよ。服着たら食べなさい。」


「あ、うん、後で食べる・・・いや違うんだって!!そんな悠長な話じゃないんだって」


「こう白くて。」


「白くて?」


「そう、そして頭にお化けみたいな三角の頭巾してるのがタンスに詰まってたんだって」


「そう。きなこ餅でしょ?」


母が夕飯づくりの手を止めることはない


「違うって。。。いや、ちょ・・て。手いっかいとめて、本当にやばいやつだから、ね、」


強引に母を部屋に引っ張っていく







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