第17話 計画

 さて、幼少期に越えるべきイベント?は粗方終わらせたと言って良いだろう。今日は休息日なので書庫でこれからのことを考える。

 取り敢えず転生してから時系列順に関わった人や話をまとめていこう。



 6才になってしばらく、リオンは元教師からの重圧により呼吸困難と人前に立つのが怖くなり3日間引きこもる。その時に割れた鏡をみて「俺」の記憶が蘇りここが俺の好きだったゲームである「龍の巫女と平和の鐘」の世界であることに気づく。まだ若いのにまた死ぬことに気がつき、平穏に生きたいと思い原作破壊上等で自分で生き抜く術を学ぶことを決めた。


 その直後に弟で原作開始前に死ぬテオドール・ウィンタリア、テオと出会う。テオは天使みたいに優しく可愛い大切な弟でまずテオを原作みたいに雪崩で死ぬことを防ぐことを誓う。テオは本当に天使だ。


 あの元教師をクビにして新しい教師を雇い、一から勉強を学び直す。リオンスペックと俺の前世の知識をフル稼働させていろいろな情報や歴史、計算などを覚える。


 それから両親の問題の解決を測った。母上は鬱、父上は王都にずっといるなど家庭環境はそこそこ悪かった。

 そこでまず、母上の鬱を治すことから始めた。毎日母上にテオと一緒に会いにいって話をしたりお茶をしたり。なるべく家族で過ごせる時間を作って部屋から自分で出れるキッカケを作った。お陰で母上は鬱から脱し、今では素手で薪割りするパワフルな母上になった。あと母上は元々武闘家らしい。そりゃあ素手で薪割りできるわけだ。

 そして父上だが、やはり暴力は最高の言語ということが判明した。拳が出そうになるのをじいやが必死に止めて母上の現状を話して向き合わせることに成功。さらに定期的にこちらに帰ってくることも確約させた。この時のMVPはじいやだ。殴ってたら多分まずかった。あの時は止めてくれてありがとうじいや。

 まぁ、2人が砂糖を吐きそうなくらいラブラブで家族の蟠りも無くなったしで仲のいい家族になれた。



 その後に剣の師匠であり義理の兄でもあるグラキエスと出会った。グラキエスは元々孤児で父上が僕が産まれる前に養子にした。父上と母上が育てた結果、グラキエスは齡14歳にして第一騎士団の団長に上り詰めた鬼才だ。高身長でイケメンだし年下の俺やテオに対しても丁寧な口調だから20より上だと思っていたけど俺より10歳上の17歳だった。普通に見えない。

 だけど父上曰く、なるべく俺らの前で丁寧な話し方や接し方を心掛けているだけで騎士団内ではかなり口調が荒々しいとか。あの見た目でヤンキーみたいな性格、ギャップありすぎない?

 いつか見てみたいものだと思っている。

 グラキエスのお陰で俺の剣術の腕や筋肉、戦い方も同年代の戦士とは比べものにならないくらい強くなった。両剣をボロボロにしたときは怒られると思ってヒヤヒヤしたが消耗品だから仕方ないと言われたが、どうしてこうなったみたいな顔をしていた。いつか一本取ってみたいものだ。


 あとは氷牙。氷牙はウィンタリアの守護龍であり冬を司っている。四大賢者が契約違反により封印したが俺とテオとクマゾーで封印を解いた。その代償なのか俺の左目が潰れたけど。氷牙は中学生くらいの見た目だが話し方はかなり年寄りっぽい。セクハラもよくしてるからグラキエスに怒られたり絞められたらしていふ。最近は俺やテオにも氷牙を〆る方法を教えられた。

 それでも何千年も生きているから魔法や魔術、戦い方についても詳しく本気を出したらやはりグラキエスよりも強いらしい。

 そして、封印されていた封魔氷のせいで記憶や力を失っており、テオが力を取り戻すために体を貸す契約。俺は記憶を取り戻して封印される前に会いにいこうとした大切な人のもとまで連れて行くという契約をした。



 そして最後は椿。夢境という場所で出会った美少女だ。あんな可愛い見た目をしておいて既婚者らしい。椿は夢境で1人、ずっと旦那様の帰りを待っている。死んではいないがどこにいるかもわからないという状況だった。椿を見ていると、前世の俺を見ているみたいでどうにかして助けたくなった。俺は椿に旦那様を探すという約束をして再会を誓い合った。

 あのあと、どうにかして夢境にまた行けないか色々試したが一度も繋がらなかった。手がかりは白髪でイケメン、それと古の獣。それっぽいのならすごい近くにいるけどイケメンではないしクソガキだし…。とにかくそれらしい人は今は見つけられないからもう一度会って詳しく聞きたい。それにどこにいるかも知らない。とにかくまた会わないといけないし一人ぼっちは辛いだろうから夢境に繋げられる手段さえ見つけられればいいのに。




 さて、今までの話はまとめたのでこれからのことを計画していこう。


 しばらくは訓練や勉強がメインになるだろな。まぁ平穏に生きていくためにはこれくらいこなしていかないといけない。それに、魔法も色々と使えることが分かったからなるべく使いこなせたいが、魔眼のせいでコントロールがかなり難しいことになっている。これもどうにかしていかなきゃいけない点だ。



 そしてこれから確実に関わるであろう人物にも注意しなければならない。主人公の仲間たち、そして11年後に出会うであろう主人公。


 俺はその人物たちを乗り越え、避け、そして平穏に生きるのが目標だ。



 誰であろうと俺の未来の平穏な暮らしを邪魔するものは許さない!




 そう、リオン・ウィンタリアの物語はまだ序盤の序盤に過ぎないのだ。

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