俺らの脆い仮面の下は

かげ

第1話 俺は気まぐれ碧葉様

「俺のことは信用しない方が良い。」

その一言で自分を守ってきた。

怖いんだ。嫌われるのが。裏切られるのもまっぴらだ。

こうやって俺は1枚の分厚い仮面をかぶる。


______後日…

「藍。仕事やれ。」

「無理。」

無気力だ。何もやりたくない。

「こっちも無理だ。やれ。」

「…」

「なぁ…ターゲット逃げたんだけど!!俺責任負うのやだからね?!!」

「…勝手にしやがれ。」

「はぁっ?!!」

「はっ。お前のことなんか知らねー。」

「ちょっ。待てっ!!」

俺は殺し屋。

みんなみんな恐れてる。

俺だってやりたくてやってるわけじゃない。

何故離れていく?…はぁ…考えてるだけ時間の無駄だ。

「最近余裕がねぇな…」

風がとても気持ちいい。殺し屋やめたい。

第一にな、俺は高校生だ。しかも1年だぞ。

この年で殺し屋とか終わってる。そのせいで学校の勉強も追いついてねぇよ。チッ。

ガララララ…

「遅れた。」

「おい、碧葉また遅刻。」

こいつは1年C組担任の夜凪 瀬名(ヤナギ セナ)

「うっせぇ。関わんじゃねぇよ。」

「碧葉…。」

「藍!どうして毎回遅刻するの?」

「何いってんだ。優等生気取りの蓮見さんよ。」

「なんですって?!」

このうるさいのが蓮見 紅葉(ハスミ モミジ)

幼馴染らしい。俺は小せぇ頃の記憶がない。

「お前も物好きだな。(笑)俺みたいな気まぐれ野郎に話しかけるなんてよ」

ホントよぉ。俺がクラスの誰かに話しかけてみろ。

馬鹿にされるし、恐がられるぞ。面白ぇよな。

俺は何もしてねぇのに。外見で判断される。性格も良くはねぇな。

一匹狼で、自由奔放。それが俺のイメージ。

そうだろぉな。期待に答えるため頑張ってたらこうなるわな。いつからか、こんな性格になっちまった。直してみてぇよ。

なんで殺し屋をやめれないのか教えてやるよ。

俺は両親が殺し屋だった。

今いるとこに大分世話になったらしい。

多大なる借金とともにあいつらは消えてった。

俺が逃げれるわけねぇし、逃げたいとも思わない。

仕事は同僚に押し付けときゃいい。

俺は、こんな性格にこんなナリだが人を傷つける事はしたくないんだ。悲しませることも。

だが親が消えた瞬間ショックで昔の記憶を無くし今の自分が出来てしまった。

俺も、こんな奴になるはずじゃなかった。

蓮見と夜凪には陰ながら感謝している。

俺に話しかけてくれるのは2人だけだ。

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