第8話 戦国関東三国志(PCE・インテック・SLG)
PCエンジンのゲームは、その特性を活かして音声や動きに力を入れていた作品が色々と有ったかと思いますが、本作は私が同機種でプレイしたSLGの中で、それらの面により出来の割に印象の強い作品でした。
ゲームの内容は、関東周辺三強たる上杉謙信・武田信玄・北条氏康の何れかの大名を選び、マップ内(関東・北陸・東海地方)を平定し関東管領になる事が目的の前半と、西国を平定し関西管領(詳細不詳)となった織田信長と天下を賭けて決戦を行う後半という二部構成で、各種コマンドや合戦などはごく普通の戦国ものであるものの、とにかく良く喋ること画面が動くこと。
例えば「徴兵」コマンドを実行すれば「兵を募っておられるぞ~!」という掛け声の元、募集の高札が後ろから起き上がるような勢いで現れ、更に画面下から生えてくる様にそれを見る人々がわらわらと登場、といった風に。
また合戦で敵の城を落とした時は、敵将達が白装束で現れて「無念ながらこれも定め… 畏まってござる」と口上を述べ平伏する、といった具合に。
但し、肝心要のゲームバランスはと言えば…
前半戦は「徴兵」「合戦」をひたすら繰り返すだけで、それこそ一年くらいで全ての敵勢力を打倒出来る様な温さの一方、後半戦は無補給・無増援で信長軍と五連戦をやらされる(しかも手持ちの兵糧がランダムで決まる様で、最悪遠征途中で兵糧切れにより敗北する事も)という悪夢の様な辛さ、と何とも両極端な具合でした。
まあ、この様にSLGとしての出来では今ひとつな本作ではありますが、その動きや喋り具合、各勢力に専用のコマンドを用意したりと色々独自性を出そうとした所など、一見の価値はあったやに思います。
特に前半部から後半部への幕間で、信長(西洋マントver.)が進軍してくる東国勢を「一捻りにしてくれるわ!」と怪気炎を上げながら、真っ赤な舌で抜き身の刀身を舐め上げるシーン(しかもドアップ)や、信長打倒後のエンディングで「これで天下はわしのものじゃ、はっはっは!」と日本地図の前で高笑いする悪人面の謙信などは、強烈過ぎて未だに忘れられません…
総合評価 … ★★★(バランスに難あるも、何かと印象の強い作品)
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