穴 その3 オスとメス

女神「このままじゃと、みんな死んでしまうぞい。いいかげん食べ物を残してやらんといけないのではないか?」


真田「全部食ってるお前が言うな!!」


リアナ「まあまあ」


猫美「にゃ」


女神「この空間は何層まであるんじゃ? 役所の連中はなんも言わんかったが?」


リアナ「200層はあるんじゃない?」


真田「言ったよね? ここはクズの集まりだって」


女神「クズでも救ってやらねばなるまい?」


真田「あんたがクズオブのクズよ!!」


女神「やめるんじゃ――自分をせめるでない」


真田「だれがクズよ!! その超ポジティブ思考なんなの!?」


女神「私の肉体は食べ物であり、私の血は飲み物である」(ごろりと横になる)


真田「何言ってんの!? カッコいいこと言ったつもり!?」(キレる)


リアナ「真田ちゃん。落ち着いて」


猫美「ふにゃう。ふにゃう」(脚で頭をかいてる)



 1ヶ月後、今度は『第6層』になる。



 夜。


 女神、床を転がって、リアナのとなりまでいく。


女神「リアナ。リアナ」


リアナ「にゃにい」(寝ぼけている)


女神「見てみい。猫美を」


リアナ「はへっ?」(寝ぼけている)


女神「運がいいことに、食べ物にありつける階におるが、猫美と真田が変わってきていることに気づいているか?」


リアナ「太った?」


女神「違う。真田はどんどんオス化しておるし、猫美は女豹化しておる」


猫美「…………」(猫目でじっと真田を見ている)


真田「ぐごごごごごごごごごごごごごごごごっ!!!!」(最近胸が筋肉化してきた)


女神「あの目は――真田を狙っている目じゃ」


リアナ「まさか……最近はえてきた真田ちゃんのタケノコを狙っているの?」


女神「そうじゃ。このままだとやばいことになる」


リアナ「あらあら。子猫がたくさん増えるわね。育てるのどうしましょ?」


女神「違う。真田はこの中で特上の美人であるワシを狙ってくるじゃろう。タケノコのバターしょうゆ焼きじゃ」


リアナ「あー……うん。そうね」(女子特有の協調性)


女神「やられる前に、逃げるんじゃ。数えていたら、この階層は『250層』ある。一番下まで降りたら、食事をのせた台は、すごいいきおいで上にのぼっておるじゃろう? そこに料理を作ってる、役所の連中がいるはずじゃ。驚いているすきに、とんずらこくんじゃ」


リアナ「あー、はいはい」(女子特有の協調性)



 朝。



女神「さあ、みんな起きろい!!」


猫美「何よ。まだ眠いんだけど」(女豹となってる猫美ちゃん)


真田「朝ションしてきたいんだけどなっ!」(女子高生真田【オス】)


女神「今から、下に行くぞい」


真田「なんで?」


リアナ「みんな、いいから。女神さんの言う通りにしましょ。ねっ?」(投げやり)

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