五
23「また一緒にご飯しましょ」
イーシィにあの時の話を聞かせたり、お互いが別れた後どうしたかの話で盛り上がっていたら、あっという間に時間が過ぎていた。
結局あの後、救助の必要な遭難者はもう一名見つかった。その方も
そんな話が展開している間、僕はいつもの症状――執筆の後で襲ってくる猛烈な眠気――に負けて爆睡していたので、ちゃんとお別れを言うことができなくて。
銀君の話によると
お二人の活躍によって浄化された『黒の森』は、僕が目が覚めた時には
お二人はきっと気にしていただろうから伝えられて良かったし、時々様子を見にいくと約束してくれた。
追加で頼んだ揚げ物も食べ尽くした頃合いで、銀君が僕の耳元に顔を寄せる。
「こーやん、そろそろ出発しないと遅くなっちゃうね」
「えっもうそんなに!?」
急いでスマートフォン画面を確認すれば、予定の時刻を大きく過ぎていた。確かに今出ないと、お城に着くのがお昼になってしまう。
慌てだした僕を見て察したように、
「あっセンパイ、僕たちホントに払いますよ!」
「いいって。そもそもこの山をほとんど平らげたのは
素早く財布を取り出す銀君を制してから、
「私らは特別任務がない限りは龍都にいるから、また一緒にご飯しましょ。――っていっても、
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