22「今なら、間に合うんです」
「駄目だ」
「わっ!?」
すぐ前に迫ってきた
「……修復、できそうなの?」
「はい、おそらく、今までの経験からすれば」
「お前はまだ子供だ。しかも自力で身を守る手段を持たない。そんな者を災害現場に、……危険が潜んでいるかもしれぬ場所に、置き去りにはできない」
森全体が風化し切ってしまった後では手遅れになってしまうから。
「今なら、間に合うんです」
「だが――」
「まぁまぁ
言い募ろうとする
勢いよく振り向いて何か言い返そうとした
「……むう」
「ひとまず結論は保留ってことで。銀くん、
「はーい、おまかせくださいっ!」
防御特化の呪いがあるから僕は大丈夫……と言う隙もなく、あざやかな笑顔とウインクを残し
かなり体力と魔力を消耗した後だと思うけど、お二人とも大丈夫かな。今さら心配が募っていつまでも見送っていると、銀君に背中をバシバシと叩かれた。
「こーやん、頑張れー!」
こんな状況で、そんな気の抜けた笑顔は反則だって。へらへら笑う銀君につられたのか、泣きたいような笑いたいような気分になってきて視界がぼうっとしてくる。
うん、僕、頑張るよ。
「ありがとう銀君。……近くに日陰あるかな、結構時間が掛かっちゃいそう」
「
「それは銀君が暑いと思う」
銀君の勧め通りに
遺したいのは、書き留めるべきは、彼女の願いと、彼女が愛したこの国の物語だ。
今は灰の森だとしても、この過酷な世界を逞しく生きのび、やがて緑あふれる美しい『黒の森』へと育ってくれることを願って。
僕は、この記録を
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