四
17「どうにも解析不可能だねえ」
無事に朝を迎え、有り合わせの朝食を食べてから、僕と銀君、
ボルテさんは目を覚まさない調査員の護衛をするため残ってくれている。
天然の森であれば、こんな軽装で探索などできないだろう。施設という性質上なのか、草に覆われた道があって思ったよりも歩きやすい。
そのうちの一つに分析魔法をかけた
「どうにも解析不可能だねえ。恐らくあの塊そのものが何らかの魔力でコーティングされているんだと思う」
「斬り開くか?」
「駄目ですー。ボルテもいないのに、対処できないモノが出てきたらどうするんですか!」
「斬り伏せるが?」
「中枢地点に行けば、あのこぶの正体もわかるかもしれませんし、それから対処を考えてもいいと思います」
「
致し方無しとでも言いたげに
「そろそろだよー」
先導していた銀君から声が掛かり、全員の間に緊張が走った。
立ち枯れた木と倒木と絡み合う木の枝が無造作に積み上がり、行く手を阻んでいた。銀君はその隙間を器用に通り抜け、僕らを案内していく。
迷いなく進むってことは、昨日のうちにこの向こう側をボルテさんと確かめてきたってことだよね。いつもながら行動力がすごい。
不自然とも思える障害物を抜けた先、ようやく開けた場所に出た途端、広がる光景を見て僕らは絶句した。
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