14「お前の親父殿わかっているな」
怒られるか呆れられるかもしれない、とも覚悟を決めて、僕は自分のことをはじめから話すことにした。
目的は大きく二つ。こちら側の大切な家族に再会し、新たな神様をさがしながら壊れた世界を修復するというものだ。
今はまだ世界の修復も神様さがしも手探りで、家族とも再会できていない。それでも僕は自分で選んでここに来たのだし、父もこのことを知っていて理解を示してくれている。お二人と比べればとてもぬるい状況だと思う。
「その神様……むしろ悪魔? 話だけ聞くと
「僕も全然聞いたことのない神様なんですけど、力は確かなんです。ここに来る間にも、幾つか修復が成功した施設があって」
そうだ、お二人ならこの画面に懐かしさを感じるかもしれない。スマートフォンを開いてホーム画面を開き、少し傾けて差し出すと、
「うわめっちゃ懐かしい! そうそうスマホだとこんなUIだった。下のほうはその悪魔様オリジナルってこと? なるほどねえ。しかも
「父が……春から高校生だから新調しようって、僕はあまり詳しくないんです」
「ほう、お前の親父殿わかっているな。……最新型はいいぞ。音質も解像度も最高で、読み込みのラグもなく、何より操作性が快適だからスコアを稼ぎやすい」
「わかってる、ん、でしょうか?」
お二人、特に
想定外の現実に面して辛いことも大変なこともあるだろうに、それでも気持ちを腐らせたりせず精力的な活動をしているお二人は、とても眩しい。僕もそんなふうに前向きに頑張っていきたいと思う。
そうしてボルテさんと銀君が戻るまで少しの間、僕ら三人は日本の懐かしい話題で盛り上がったのだった。
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