11「深い昏睡に陥ってる様子で」
銀君が目覚めたので、日本側についての話はまた後で……という暗黙の了解が落ちる。
気づいた
「ボルテありがと、助かった! 二人は気にせず休んでて。
『お前たち、私に労働を強いておきながら先に食事を始めるなど……! おい、
「……んむ、火が通ったものから好きなものを食えばいい」
『ぬぉ、だいぶ小さくなっているではないか!』
隣で銀君が、はーっとため息をついた。
「あの狼さん、超レアな契約魔獣じゃん。すごいなー、本物はじめて見た!」
「あ、そうなんだ。普通には契約できない感じ?」
「神様に選ばれた人でなければ契約できなかったよ。どういう選定基準があったかは知らないんだけどね」
なるほど、何かの特典や記念で権利が得られた系かな。見た目から『氷獄の番犬』だと思っていたけど、よく見ればボルテさんの姿は狼っぽいではなく狼そのものだ。
以前も今も契約魔獣とは縁がない僕だけど、世界で唯一種の相棒っていいな……格好良くて。
銀君も同じことを思っていたのかもしれない、肉を奪い合うおふたりをキラキラした目で見つめながら、「後で稽古つけてもらお」とか言っている。確か前に魔法も近接戦闘も苦手って言ってたはずだけど、何の稽古をつけてもらうつもりかな。
しばらくして、げっそり疲れた様子の
「あーもう、ごめんごめん! そもそも私ら、ここに調査のため来ていてね。ボルテのお陰で行方不明者は無事発見できたんだけど、……うーん、どうしようかなあ」
「今の方ですか?」
「そう。診た感じ外傷はなし、しっかり呼吸もしてるのに、銀くんの時より深い
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