8「……お前、何者だ」
僕が今まで修復してきた施設は、壊れて機能しなくなったものばかりだった。『黒の森』は施設といっても森林なので、神殿や病院のように電気を通せば動くというものではない。
頭で考えても答えは出ないから、エディターボードから文字化け具合いを確認したほうが早いかも。
ここまでずっと銀君と二人きりだったし、銀君は突っ込んだことを聞いてこなかったので失念していた。
いつもの流れでポケットからスマートフォンを取り出し開こうとして、
「あー――それそれ! やっぱりスマホだよね!?」
「……お前、何者だ」
笑みの消えた口元から紡がれた低い声は、秘密ばかり抱えた僕への有罪宣告に思えた。場の空気が凍りついた、と思った次の瞬間。
勢いよく何かが飛び込んで、ひどく鈍い音とともに
えっ、え、今の、
脇腹を押さえ
いっそう鮮やかさを増す梅紫の目と、笑顔とも
「言い方ァ! あんた、さっきは必死でこの子を助けようとしてたっしょーが! 何でそうなるわけ!?」
「イイ肘鉄、だ……
「お黙りください。魔力乗せてない一撃なんて大したダメにならんでしょ」
冷たく言い放つ
「あの、
「大丈夫。むしろ、今の
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