2章 新政府編

第29話 夏の長期休暇

 兵役学校1年生にして夏休みが始まった。魔人に嗅ぎ回られている事をきっかけに表向きは停学ということになり、様々な戦いをした。死と隣り合わせだったのでまるで天使のような長期休暇が夏休みなのだ。

奏はここにきて初めて知った。こっちの世界にも大都市があることをこちらにきてこの方田舎風景しか見ていなかったので知りもしなかった。そして今日は普段しないような服装で大きなショッピングモールの前で待ち合わせをしている。勘の良い人ならすぐに分かるであろう。あれから奏とちはやは普段使うこともなかったスマホを取り出しメールでやり取りをしていた。そして今日は待ち合わせをしているのだ


注 奏が使っているスマホは軍資品です


 そして1時間も早くついてしまった。ここから1時間待つのは退屈だなぁと思っていると

「奏くんお待たせ〜待った?」とちはやから声を掛けられた。1時間早く来たはずなのにこの時間帯に相手も来て尚且つ「待った?」と聞いてくるのは文がおかしい。ということに浮かれている奏は気づく余地もなかった。

そこからは買い物をしたり。食べ物を食べたりで奏の人生の一番の思い出となった。そしてこれが帰りまで続く幸せだと思っていたはずなのに。


          現在

 帰ろうと思った矢先、奏の前に一人の男が現れる、そして奏の事を襲ってきた。だが急に男は倒れた、そうすると女の人に声をかけられる「君、怪我は無かった?もしかして兵役学校の生徒さん?」

するとちはやが「あ、理事長先生」と言った。

奏は「大丈夫です」と言いつつ。内心この人がイブを狙ってるって言う人かと思っていた。

すると理事長は話し始める「私の名前は千鶴」と言う。

「今あなたを襲おうとした人は恐らく新政府の人間、魔人の肩を持つ連中らしい、最近多いらしいので気をつけてね」とだけ言って去ってしまった。悪い人には見えなかった。

その後はちはやを家まで送った。まさかこっちの都会の方に家があるとは思わなかった。

奏は「今日は危険な目に合わせてごめん」と言うと、ちはやは「全然大丈夫、奏くんに怪我が無くて良かったよ」と言ってそのままお別れした。

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