第28話 振り出しの異世界生活
隼人のわがままな言葉さえも聞こえるのは奏だけだったみんなそれほど疲れていた。隼人は呆れ返った様子で黙って帰っていた。そして奏達も何も喋ることなくそれぞれの帰るべき場所へ帰るのだった。
奏は一つ確かめるべきことがあった「私の名前はちはや」あの言葉をずっと考えていた。それは昔からの知り合いであのちはやなのか…考えることしかできない実際会ってみない限り。
そして数日後聖王高校の目の前に来てしまった。
校門の前にいると横から声をかけられる、横を向くと隼人が立っていた。「今日こそ決着をつけようじゃないか」と言う。奏は「今日はそういう気分じゃないんだ」と言うと、隼人は怒ったような表情で奏を睨めつけると腹を目掛けて殴り始めた。奏は今まで沢山の魔人と戦い、相手の実力も十分だった。それにより自分を強いと錯覚してしまっていた。今まで勝ててこれたのは誰かの助けがあったからだというのに…隼人は容赦なく殴り続ける。ただ自分の身を守ることしかできない奏。
すると突然学校の玄関から叫ぶ声がする「奏くんをいじめるなぁぁ」と少し腫れた顔で上を見ると、ちはや?が猛スピードで走ってくる。そして隼人を叱り始めた。隼人は「本気で殴ってねーし」と言い訳をしているが通じることなく腹パンされていた。隼人が腹を抱えながら壁によっかかっていると、ちはや?が奏の近くに近づいてきた。奏は言う「君は俺が知っているちはやなのか?」
そして少女は「奏くんのそばにいつも居たちはやだよ、まぁ中学以来だけどねっ」と照れくさそうに言った。
奏は泣きながらちはやに抱きついた。「会いたがっだぁぁ」と涙のせいで崩れた声を発した。ちはやは頬を赤くしながら奏に寄り添った。
「この世界に来て私たちの人生が無駄になった訳じゃない、ここから新しい人生を振り出しから始めましょう!」とちはやは言った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます