第9話 騒がしい赤と静かな白
狂ったように燃えている赤
夕暮れ時
家路につけば歩み寄る
朝とは逆の薄い影
やがて影は伸びて行き
まるで向こうの街にまで出て行ったように
橙色のアスファルトとともに消え去って
胸の中の自分に戻ってくれば
悪いものに襲われそうになる
嫌いな人は居ない
ただ関わりたく無い人は居る
でも
その人は誰かのために必要な人では無いのか?
敵なんていないのさと呟けば
不思議な顔がチラついてしまう
本当は敵なんていない
自分にとって不都合なだけ
不都合なだけで戦いを挑むのなら
それを防ぐための防衛力も
結局は侵略されるのが不都合だからなのか?
話が大きくなりすぎたかと苦笑
この先の角を曲がれば自分の家が見える
玄関を開けて笑顔で言おう
ただいま帰りましたと
貴方の笑顔が
私を幸せにしてくれる
今はそれだけが必要だから
熱い思いから解き放たれた
暖かく静かに暮れゆく街並みを
窓越しに眺めながら夕食を共にするのも良い
よく冷やした
白いワインを飲みながら
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