第2話 サラダ
外で働くからと冷房を止めて
炎天の下で汗をかけば
見上げる天空は眩しくて正視できない青空
暗い夜空で輝く満月のように
大地を照らす丸く白い灼熱の恒星
その中心点が少しずれるだけで
大地に木枯らしが吹き
やがて白い妖精たちが舞い降りる
太陽が白からオレンジ色に変わる頃
人は厚い雲から顔を覗かせる光を求め出す
部屋に戻り
冷たいシャワーを浴びて
ソファーに転がれば
何もしたくなくなる気怠い真昼
昼食を作る気もしなく
二輪で辿り着いた店で頼んだのはサラダとアイスコーヒー
「こう暑いと食べる気もしなくなるね」
と給仕のおばさんが言えば
「ええ、本当に」
と答え
「でも、食べなきゃ死んじゃうから」
とおばさんが返してくる
ふと死とは何なんだろうかと考えれば
冷たいガラスに入ったサラダが運ばれ
よく冷やされた野菜を口に入れた時
生きるとは何なんだと思う
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます