第2話 サラダ



 外で働くからと冷房を止めて

炎天の下で汗をかけば

見上げる天空は眩しくて正視できない青空


 暗い夜空で輝く満月のように

大地を照らす丸く白い灼熱の恒星


 その中心点が少しずれるだけで

大地に木枯らしが吹き

やがて白い妖精たちが舞い降りる

太陽が白からオレンジ色に変わる頃

人は厚い雲から顔を覗かせる光を求め出す


 部屋に戻り

冷たいシャワーを浴びて

ソファーに転がれば

何もしたくなくなる気怠い真昼


 昼食を作る気もしなく

二輪で辿り着いた店で頼んだのはサラダとアイスコーヒー


「こう暑いと食べる気もしなくなるね」


 と給仕のおばさんが言えば


「ええ、本当に」


 と答え


「でも、食べなきゃ死んじゃうから」


 とおばさんが返してくる


 ふと死とは何なんだろうかと考えれば

冷たいガラスに入ったサラダが運ばれ

よく冷やされた野菜を口に入れた時

生きるとは何なんだと思う

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