第3話 アメリカンチェリー

 

 アメリカンチェリーは

あなたの流す涙の色のように

甘く切ない大きな赤い果実


 笑顔を見せるだけで

男たちが振り返る

美しい人よ


 真夏の街路

まるでファッションショーのランウェイを歩くように

その意識されたしなやかな動きは

街行く若い男たちのためではなく

あなただけのために作られたステージを

オーディトリアから見ている観客たちのためのもの


あなたは幼い頃から与えられてきた愛よりも

貧しさを越えることのできる愛なき日々

望んだものはきっと手に入れると

夜に泣く無法者のように


 狂ったように燃える太陽の下

街路では果物店の棚の上

赤黒いアメリカンチェリー


 もしもできることなら

あなたが誰かの足元で跪く前に

太陽と同じくらいの金貨を投げつけてみようか

この クルエラ・シティー の真ん中で

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