滅亡が確定しました。アカデミーの悪徳校長として生き残ります。

第14-1話

　アデルとの戦いで勝利すると、目の前に窓が一つ現れた。

　-イベント補償

[アデルとの戦いで勝利]

　アデルの勢いを完全に破って勝利されました。アデルはあなたを特別な存在として認識し始めました。

　*補償: アデルに1回命令権

　ここまでは驚くべきことはなかった。

　勝って得た平凡な補償だったからだ。

　ところが、アデルと寝てから不思議なことが起きた。

　*インモラルの特異スキルが発動されました。インモラルは先天的に特異スキルの獲得率が高いです。

[アデルとの戦いで勝利2]

　アデルがあなたのところに来て、命令権の調整を要求しました。あなたは寛大な心で調整を受け入れただけでなく、相手に素晴らしい夜をプレゼントしました。

　*消耗: アデルに1回命令権

　*補償: 悪い男専用スキル

　*体の情: 一晩共にした相手はあなたに好感を感じます。それは決して愛ではありませんが、時には無条件のものを与えることもあります。

　発動人物: アデル

（なぜスキルの名前がこんなに低廉なんだ？）

　インモラルは思いもよらない特別な補償に一度驚き、初めて見る浅薄なスキルにもう一度驚いた。

　しかし、その感情はやがて楽しみに変わった。

　アデルがルイビ教会から驚くような支援を受けてきたのだ。

　なんと経験値の需給に役立つ初級者用の鎧と武器を生徒の数だけ無償で持ってきたのだ。

（急に生徒たちに一生懸命教えるだけではなくアイテムまで！）

　アデルは戦いで負けた後、生徒をしっかりと教育していた。

　生徒に教えるようになったのは戦闘による心的変化としか説明できなかったが、アイテムは確かにスキルの影響のようだった。

　インモラルはアイテムを支援されたその日、一日中笑った。

（一銭も持たずにアイテムを得た！これなら予想より早く始められそうだ！）

　インモラルはすぐにアカデミー学会に連絡を取った。

　アデルのおかげでダンジョンに入るための最小限の準備は終わった。

「シナリオクエスト2」の完了期限まで残りわずか13日となった時だった。

　学会からダンジョン入りを許可するという通知が出された。

（よし、出発は3日後だ！）

　クエスト完了期限まで残り10日となった日だった。

　インモラルはアカデミーの生徒たちを連れて、アダマント都市から北東に位置する鉱山の入り口に到着していた。

　インモラルは顔を上げてあたりを見回した。

　裸の石山は沈黙が出るほどの雄大さを誇っていた。

　アダマントの人々はこの石山を血)鉱山と呼んだ。

　突山の色が血を含んだように赤黒いために付けられた名前だった。

「ここはわずか数年前まではアダマント都市の鉱夫たちが一番多く来ていたところでした。」

　インモラルの隣にいるこぎれいな20代の女性がそう言った。

　女性はアカデミー学会から派遣されたダンジョン記録官だった。

　女性の任務はアンビションアカデミーがダンジョンに進入し、解決するまでの過程を記録して上層部に報告することだった。

　女性は鉱山を説明し続けた。

「鉱山の深いところにダンジョン核が発生した後から、鉱山は残忍な生命体のように進入した人を捕食しています。」

　ビクッ。

　インモラルの背後にいた数人の生徒がおびえた。

　インモラルは生徒たちの感情にすぐ気づいた。

　戦列を整えたのもそのためだった。

　インモラルは後尾にいたアデルを呼んで先頭に一緒に立った。

　そしてアランとジェニーを含むアンビションアカデミーの生徒たちをその前に整列させた。

　揃ってからだった。

　生徒たちは整列しただけでも一層落ち着いた表情だった。

　先頭に立っているアデルは突然記録官に向かってこう言った。

「おい、記録官。アダマント都市が管理する鉱山をまた恐ろしく言うことがあれば、ただではおかない。」

「え？そうではなく、私はただ説明しただけなんですが…。」

「ルイビトン教主は忙しくて来られなかったが、さっきの発言は十分問題になるに値するぞ。気をつけろと言ったら気をつけろ。」

　アデルの声が殺伐としていたため、記録官は先ほどの勢いがなくなった。

「はっ… 分かりました。」

　インモラルは内心いい気分だた。生徒たちが怖がらないようアデルが直接肩を持っているようだったからだ。

　インモラルは雰囲気を整えながら言った。

「さて、私たちは準備ができました。記録官、始めてください。」

「わ、わかりました。アンビションアカデミー総員40名！魔法専攻平均レベル24、剣術専攻平均レベル21！生徒全員20レベル以上で入場条件に達しない人はいません。」

　記録官が最後の言葉を加えた。

「よって、アカデミー学会は以下の条件で入場を許可します。」

「一つ目、パーティーは20人単位で2つでなければならない。」

「二つ目、引率教授は1人しか入場できない。」

「三つ目、校長は地下3階、6階、9階、ボスモンスターを倒し、休憩の時だけ入ることができる。」

　インモラルはうなずいた。

　アカデミー学会が立ち会えば、規則に従わなければならない。ダンジョン探査が一種の試験だからだ。

　インモラルは当然、この事実を知っていた。

　そのため生徒たちに予め教育しておいた。

　生徒たちは入会規則を聞いて、自分たちでパーティーを組んだ。

　パーティーは2つ。

「アラン」パーティーは名前の通りアランが主軸であり、一番強い生徒たちを中心に構成されたパーティーだった。

「アデル」パーティーも同様にアデルが主軸であり、最も弱い生徒たちで構成されていた。

　2 つのパーティーは一緒にダンジョンを探査することができなかった。

　戦うボスモンスターもそれぞれ違う。

　したがって、主軸になる人が重要だった。

（あの二人なら十分だ。）

　インモラルはアランとアデルを信じていた。

　アデルは鉱山の入り口へと先に入った。

　アデルは入る直前にこう言った。

「アラン、互いに違うパーティーが会えるのはボスモンスターを倒して休憩の階にいる時だけだ。休憩の階で会おう。」

「わかりました！」

　アランはたくましく答えた。

　アデルはすぐに生徒たちを連れて入り口の中へと姿を消した。

　10分が過ぎ、アランが入る時が来た。

　インモラルはアランにブローチ形の受信機を見せた。

　インモラルは校長であるため、ダンジョンに入ることができなかった。 しかし、受信機で下す間接的な指示は規則違反ではなかった。

「校長先生、これは？」

「このブローチは映像までリアルタイムで伝えられる。助言が必要なら、躊躇なく受信機を使いなさい。」

　アランはありがとうございますと大声で叫んだ。

　インモラルはその言葉に少し泣きそうになった。アランが着た学科のジャンパーにブローチを直接付けたのもそのためだった。

　その後、インモラルが大きな声で話した。

「さあみなさん。きつい努力の時間を結果として残す時です。全アカデミーの新入生の中で最高になるという野望を抱いて進みましょう！」

　思ったより生徒たちの反応はいまいちだった。

　インモラルは頭をかき、目を光らせて話し続けた。

「そして9階まで行ってきた生徒にはアランとデートできる権利を差し上げます！」

　冗談半分だった。

　ところがアランを除いた女子生徒たちが強力なバフを得たように大声を張り上げた。

　一方、アランは疑問で目が丸くなった。

　インモラルはその疑問に満ちた視線をわざと無視した。

　しばらくしてからだった。

　アランは気勢が強まった女子生徒たちに埋もれて鉱山の入口の中に無理やり押し込まれた。