第8-2話
「いいでしょう。2ヶ月以内にダンジョン一つを攻略する実力を身につけさせてあげます。 前のシーズンのようにはなりません。絶対にあんなことはありません。」
インモラルは自信があった。
強い力を望んでいる学生をあきらめない自信が。
生徒の成長を助けるのが校長の仕事だから。
一瞬、誰かが慎重に話した。
「えっと···では、剣術専攻の教授のレベルはどうなりますか?」
その質問を聞いて、約10名の女子学生が真剣な顔になった。
インモラルは入学願書を思い出した。
そこには剣術専攻を希望する者が10名いた。
さっきまで会話を交わしていた体格のいい女子生徒も剣術専攻だったのか、真剣な顔をしていた。
インモラルが口を開こうとした時だった。
「少なくともインモラル教授と同等のレベルであってほしいです!」
体格のいい女子学生が先に口を開いた。少し無礼なのではないかと、他の生徒が彼女を見つめたりもした。
インモラルは怒らなかった。
あえて言葉を絶ってまで意見を述べた理由を知っていたからだ。
体格のいい女子学生は不安がっていた。
不安な感情を隠すことができないのは、剣術専攻を希望した他の女子生徒たちも同じだった。
インモラルは尋ねた。
「恐れている理由は何ですか。」
何故かは分かっていた。
それでも返事を強要しなければならなかった。不安は輪郭がはっきりすることで消しやすくなる。
「校長先生が直接魔法を教えるなら、相対的に剣術科目はプッシュが弱いのではと思ったので…。」
普通のアカデミーならそうだ。剣術専攻と魔法専攻のどちらかに偏っているアカデミーが多い。
剣の道を進もうとする学生であれば当然の心配だった。
インモラルはゆっくりと話した。
「心配しないでください。皆さんに剣術を教えてくれる人は私よりレベルが高いです。しかも、東大陸でも剣術は最強です。」
剣術専攻を希望する女子学生10人の目が輝いた。
「本当ですか?誰なんですか?」
「剣神のケアス? それとも二刀流のライクシャ?それでもなければ、月光のアデル?!」
出てきた人物全員がインモラルのレベルをはるかに跳び越える傑物だった。
彼らは平均レベル300で、東大陸で一番の剣士たちだ。
ここにいる学生たちの入学金の10倍を払っても任用するのは難しいだろう。
インモラルは学生たちを眺めた。
「私たちの学校は多くの富を蓄えていません。それに剣の鬼才のほとんどは孤独に修練することを好みます。」
一言で言うと、彼らではないという意味だ。
期待に満ちていた女子生徒10人は一気に落ち込んだ。
インモラルはむしろ笑った。
その後落ち着いて話を続けた。
「ただ、うちの学校で剣術を教えてくださる方はですね。彼らよりもレベルが高いです。」
食事の席にいるすべての女子学生が驚いていた。
みんな興奮したあまり、どうしていいか分からないような表情だった。
「みんなびっくりしてるな。まあそれもそうか。」
太陽は平原の向こうへと消えかけていた。そろそろ歓迎会を終わらせなければならない。
インモラルは一人で食事の席を片付け始めた。
体格の良い女子学生だけが興奮を落ち着かせた状態であり、後に続いて片付け始めた。
体格のいい女子学生がインモラルのそばで手伝いながら尋ねた。
「私にだけ教えてください。私たちを剣の道に導いてくださる偉大な剣士のお名前を!」
「それはこれから感じる歓喜のために残しておくべきでしょう。」
「それではレベルだけでも教えてくださいよ~。」
他の生徒たちも掃除をし始め、耳をぴんと立てた。
インモラルは聞こえそうで聞こえないよう小さく言い放った。
「彼女のレベルは」
「……500です。」
掃除を手伝っていた女子学生は驚きのあまり石のように固まった。
他の生徒もあまり変わらなかった。
インモラル一人だけが黙々と掃除を続けていると、遠くからジェニーが走ってきた。
ジェニーは息を整え、インモラルの前に立った。
「校長。あなたの言う通り、校門に誰かが来た!」
「学生たちも見ているというのに、ため口で話すな。誰か来たんだ?」
「アダマント都市の実質的な頭!ルイビトン教主!」
インモラルはジェニーの首の横を手刀で軽くたたき、無礼を罰した。
その後インモラルはゆっくりと前に足を踏み出した。
「ジェニー、君が率先してここの掃除を終えた後、新入生を寮に案内しなさい。今日はみんながゆっくり休めるように。」
インモラルはジェニーの返事を待たなかった。
気になるのは校門にいる人だった。
インモラルはニヤリと笑った。
(ついに来たのか。東大陸の4大強者!レベルだけでも500!欲望の聖騎士ルイビトン!)
いつの間にか空には月が浮かんでいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます