第5-2話
インモラルは一歩後退した。
路地に入ってきた人はみすぼらしい服でありながら、体のラインを生まれ持った女性だった。
腰はスリム、お尻は輪郭がはっきりしていて弾力があるようだった。
女性はすらっとした長い脚で一歩でインモラルの前に立った。
すぐ荒々しい声が続いた。
「なぜ私の妹をむやみに触るんだ?年老いたやつが年甲斐がない。」
口が荒い。顔と血気を見て20代前半のようだが、年齢に比べて背が少し高い。
目つきも怖く、髪色まで冷たい金髪であるから少し怖い。
現実であれば強い目つきに圧倒され、返事すらできなかっただろう。
しかし今は違う。
インモラルはレベルが90だ。ブロンド女のチンピラなんか、レベルの面では最弱スライムだった。
インモラルは恐れることはなかった。
「大人に対して礼儀がないやつは年甲斐があるのか?言葉に気をつけろ。」
「気を付けるのはその汚いズボンの下にある欲情だろう。」
相手の荒い言い方は少しもよくならなかった。
力で制圧しようか。いや、目標物を見つけた以上、事を起こす必要はなかった。
この女性がターゲットと親密な関係ならなおさら。
適当に怖がらせるだけだ。
インモラルは、すべてを知っているかのように話した。
「私は同性には興味がない」
「……なんだと?」
金髪の女性はその時やっと慌てた様子を見せた。
「男に興味ないと言っている。」
「ボケてるのか?何を言ってるんだ?」
インモラルは金髪の女性の後ろを指差した。
「ほかの人は騙せたんだろう。背が低くて可愛い外見だから、短髪の女性に見えるのは当然だ。それでも俺は騙せない。」
最初は親分だと思っていたが、勘違いだった。
幸運にもターゲットに簡単に出会うことができた。
金髪の女の後ろに隠れているあの男の子が、ユーザーの間で人気絶頂だったあのショタNPCなのだ。
ファンの集まりにふさわしい外貌だった。ゆったりとした服を着ると、ただの女に見えた。
あの場合はわざと女のふりをしていたのだろうが。
「この卑猥な老人が…!私が来る前にもう手探りしていたのか!」
「言葉に気を付けろと言ったはずだ。貧民街に噂を流してやろうか?お前の愛する妹が実は男だったと。」
金髪の女性は体を震わせた。
インモラルはくさびを打ち込んだ。
「困ったな?そうするしかない。この剣難なところで、あのかわいい子が実は男だということが明らかになってみろ。」
金髪の女性は顔をしかめた。
インモラルはそれに対してわざとさらに嘲弄した。さっき聞いた荒っぽい言葉の復讐だった。
「貧民街の人々が皆集まって、お前の弟を犬のように食い出すだろうな。お前が止めても5分ももたないと思うが?お前は自暴自棄になって残りの一口でも食べるだろう。」
貧民街のひっそりとした路地に静寂が舞い降りた。
しばらくして、金髪の女性は勢いが衰えず、目元に涙を浮かべていた。
弟をそれほど愛しているようだった。
「…私に何を望んでいる?」
インモラルが本当に悪い大人であれば、金髪の女性は屈服した瞬間から奴隷状態になっただろう。
インモラルは価値のある学生を求めに来たのであって、奴隷を求めて来たのではなかった。
「お前の弟にアカデミーの学生として来てもらおう。」
金髪の女性は驚いた表情だった。
続いて、インモラルが校長だという事実も知ると、戸惑いながら途方に暮れた。
インモラルは金髪の女性の後ろに向かって言った。
「お前のお姉さんも寂しくないようにしてやろう。私と一緒に行こう。」
考える時間は十分与えた。しかし、帰ってきたのは静寂だった。
インモラルは不思議そうな表情で金髪の女性の後ろを見た。
小柄な男の子は目が半分閉じていた。すぐに男の子はふらっと倒れ込んだ。
インモラルは深刻な状況であることがすぐに分かった。
男の子に駆け寄りすぐさま彼を背負ったのもそのためだった。
インモラルはすぐに治療所に駆けつけた。
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