第13話 ヒロイン王女の誕生日パーティー?


 サーラが攫われてから7ヶ月が経って、俺とサーラは15歳になった。


 これまでであった事を簡単に話す。

 

 まずサーラはあの日以降俺にべったりになった。

 何かあれば直ぐにキース兄さまと言って俺の所に来る。

 どうやら好感度が相当高くなったようだ。

 控えめに言ってマジで可愛い。

 しかもサーラは俺がゲーム知識で何かをしても、凄いですキース兄さま!と言って何も聞かずに納得してくれる。

 まぁ、そっちの方が楽で良いがな。


 次にダンジョンだ、ダンジョンは結論から言うと、とっくにクリアした。

 レベリングもサーラを助けた事によって王都付近の『泉の洞窟』まで行く許可を取る事が出来たので順調に進んだ。

 その結果、ライ・ドワンスを倒した時は70レベルに上がって、その後の今は130レベルまで上がった。


 (鑑定)


『名 前』:キース・グリッド(男)

『年 齢』:15歳

『種 族』:ヒューマン

『身 分』:公爵家3男

『レベル』:130

『体 力』:4000

『魔 力』:3800

『基本属性』:『火』『無』

『特殊属性』:『浮遊』『隠密』

『希少属性』:『空間』

『単一スキル』:『無効』(S)『鑑定』(A)『魔法特攻』(A)『並列思考』(B)『マーク』(B)『サーチ』(C)

『装備』:【成長の指輪】


 『マーク』とはサーラが攫われた時にあった方が良いと思ったので取る事にした。

 効果は対象の人が何処に行こうと確認する事が出来るスキルだ。

 先に言っておくが変な使い方をする気は無い。


 そうそう、それとサーラとはお互いのステータスを全て話した。

 それにレベリングにも一緒に行って、ダンジョンも潜って貰っていた。

 ソロ限定だから一緒には行けなかったけどサーラはかなり頑張っていた。

 昨日の時点でサーラのステータスはこんな感じだ


『名 前』:サーラ・グリッド(女)

『年 齢』:15歳

『種 族』:ヒューマン

『身 分』:公爵家長女(末っ子)

『レベル』:80

『体 力』:2100

『魔 力』:1400

『基本属性』:『治癒』『光』

『特殊属性』:『雷』『音』

『単一スキル』:『絶対障壁』(A)『精霊』(A)『秀才』(B)『並列思考』(B)『サーチ』(C)


 スキルの解説をすると、『絶対障壁』はクールタイムが1分で相当なレベル差が無い限り破れない防御壁を張れる、条件付きだが防御力だけで言ったら『結界』にも負けない。


『精霊』は、かなり良いスキルだ。

 特定の場所に行くと精霊と契約することができるようになり戦闘面においてかなり強化される事になる。

 正直言って限りなくSランクスキルに近いと思っている。


『秀才』はスキル所持者のIQが凄く上がる、これは勉学面や戦略面でも活かせるのでかなり便利なスキルだ。


 残りのスキルはあると便利なので覚えて貰った。


 ケイトがどの位成長しているか分からないけど恐らくサーラはいい勝負だろう。


 そして現在血濡れの黒衣については国王にも報告して調査中らしい。

 よって、魔王の味方をしている集団と言う事がゲームより凄く早く認知される事となった。


 それと問題が一つ発生した……

 この世界にはスキルのランクを強化する方法が存在していないらしい……

 ゲームではいくつか方法があったのに……

 よって『鑑定』をランクSに出来ない……てか『鑑定』にランクSは無いらしい。

 何でかは分からないけどどうやら全てが全てゲームと同じでは無いと言う事が分かった。


 まぁ、その辺も頭に入れて行くべきだな……

 

 最後に父親との関係性だが、今は大分良くなって普通に話すようになった。

 俺はこのあと父親の書斎に来る様に言われていた。


「よし!お父様の所に行くか」


 (コンコン)


「入っていいぞ」

「はい、失礼します」

「キースよ、今度王都で第4王女の誕生日パーティーが開かれるのだが、お前も参加しなさい」

「俺がですか?」

「あぁ、昔のお前だったら連れて行かないが、今のお前だったら連れていっても良いと思ってな」

「ですが、色々な問題があると思いますが……」

「キースは過去の悪評を背負っていくと言ったよな……だったらその一歩として良いタイミングだと思うぞ」


 たしかにそうかもしれない……

 キース・グリッドは2年間全くパーティーに参加していない。


 第4王女と言えば王族で唯一のヒロイン枠だ。

 見た目も美しいので顔を覚えて貰う価値は十分ある。

 まぁ、悪評のせいで好感度はマイナスからスタートだろうけどな。


「分かりました……では参加させていただきます」

「あぁ、今回はキースとサーラの二人をつれて行くからそのつもりでな」

「はい」



 第4王女ことセリアス・パラドレットと言えば主人公トールが庶民だから王族の立場から支えていた人物だよな。

 まぁ、それが原因でトールが貴族からヘイトを買っていたんだよな……セリアスのルックスも原因だろうけど。


 第4王女の誕生日パーティーって事は賢者も居るのか?

 いや、賢者は男爵家の令嬢だったはずだ。

 それだったら来なくてもおかしくは無い。


 『唯一属性』が発現するのは後1ヶ月後のはずだ……

 だから男爵家の跡継ぎでも無い人が参加するとは考えにくいか……

 

「キース兄さま!」


 そんな事を考えながら歩いていたらサーラがくっついて来た。

 

「キース兄さまと一緒に王都にパーティーに行けるのですね!」

「あぁ、しかし周りからは良い目はされないだろうがな」

「大丈夫ですよキース兄さま、今はそうかも知れませんが直ぐに皆キース兄さまの良さを分かってくれますよ!」

「そうか。でもサーラは俺と一緒にいる必要はないからな」

「え?」


 俺がそう言ったらサーラはこの世の終わりの様な表情になった。


「俺と一緒に居るとサーラまで変な目で見られるぞって意味だ」

「それだったら大丈夫です!どちにしろキース兄さまを良く思わない人は私も良く思いませんので」

「そうか」


 そう言ってくれるのは素直にうれしいな。


「それにこのパーティーはキース兄さまと私が一緒に居る事で周りの認識を変える事も重要だと思っていますし」

「まぁ、確かにサーラは俺と違ってかなりの人気者だからな……」


 サーラは天使みたいな見た目で聡明、そんな訳で男性陣だけでなく女性陣からも人気だ。

 キース・グリッドと言う存在が無かったらもっと人気だっただろう……

 それ位俺は嫌われているからな……


「キース兄さまが誰にどう思われようと私は絶対に離れませんからね」

「あ、あぁ」


 え?今目のハイライトが……

 気のせいだよな……

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