第8話 レベリング&初ダンジョン

「よし!月末の日が遂に来たぞ!!!」


 レベリング日和だ!!

 とりあえず今日で40レベくらいはなれるといいな。

 「泉の洞窟」に行ってみるか!


「空間転移――」


 前回来た時は中には入らなかったけど、こんな感じなのか……

 デートスポットって言われる理由が分かるな……

 綺麗な泉に綺麗な花畑、天井が少し空いていてそこから日が差して凄く幻想的だ。


 ってそんな事はどうでもいいんだよ!

 スライムメタルやハイスライムメタルの出現ポイントは実は分かり辛い所にあるんだよな。

 まぁ、この場所にそのまま出たら話題になって無い訳ないもんな。

 

 実はこの泉の奥深くに隠し通路があるんだよな……

 よし!行ってみるか――


 なかなか深いな――確かこの辺に……

 おっ、この辺じゃないか?

 よし!ビンゴ、このまま直進して、ここを上がると。


「ぷぁー」


 よしよし、ここだ!ゲームで見たまんまだ。

 それじゃ、少しうろうろしてスライムメタルが出るのを待ちますか。


「来た来た!!!」


 10分くらい待っていたらスライムメタルが出現した


 よし!前回と同じように――


「空間転移――」


「よしゃーーー今回も成功だ!!!」


 それにしても『希少属性』だけあって『空間』魔法ってマジで最強だよな……

 使い勝手良い上に戦闘でも重宝するんだもんな。

 っといけない、今はスライムメタルが優先だ――


(ミス、ミス、ミス)


 相変わらず攻撃が当たらないな、レベルが上がったとはいえ今回も80回くらいミスが出たな……

 それにしても経験値2倍だから16~23まで上がったな……でもここからが大変になって来る頃か……

 今はとりあえず数をこなすしかない。


「空間転移――」


 もう一回出て来るのを待つ必要がある。

 とりあえずその辺をうろついてるか――


「来た!来た!」


 今回は30分かかって出て来た。

 もっと出ても良いと思うんだが……やっぱり運か……

 まぁいいや、こいつも連れて行こう。


「空間転移――」


 よし!倒せた。

 やっぱレベルが上がると命中率があがるのか、どんどんミスの回数が減ってるな。

 今回ミスった回数は68回だ!

 

 この調子でどんどん行こう!!



「――ふぅー、もう沸き時間も終わりか……」


 その後スライムメタルは10体狩る事が出来た。

 そのおかげでレベルは42まで上げる事に成功した。


 (鑑定)


 『名 前』:キース・グリッド(男)

 『年 齢』:14歳

 『種 族』:ヒューマン

 『身 分』:公爵家3男

 『レベル』:42

 『体 力』:1200

 『魔 力』:1150

 『基本属性』:『火』『無』

 『特殊属性』:『浮遊』『隠密』

 『希少属性』:『空間』

 『単一スキル』:『無効』(S)『鑑定』(A)『魔法特攻』(A)『並列思考』(B)『サーチ』(C)

 『装備』:【成長の指輪】


 いや、魔力たっかっ!!!

 このレベルでここまでたかい人なんて存在しないんじゃないか?

 『唯一属性』の人でやっと行けるか行けないか位か?


 あー、いや一人だけいたかもな。

 ゲームでは名前しか出て無いんだけど、人類最強の魔法使いが居たな……

 確か伝説の魔女って呼ばれていて名前は出てなかったな。

 国王でさえ頭が上がらない、みたいな事言ってた気がするな。


「んー、それにしてもそろそろスライムメタルでのレベリングも難しくなって来たな」


 経験値×2があるとはいえスライムメタルではレベル35位からは一気に上がりずなくなって来た。

 とは言えハイスライムメタルが出る確率は相当低い……

 

 泉の洞窟と呼ばれる場所は俺が居るサザニシア王国ではここ以外にはもう1つあるのだが、俺が今行ける場所はこの場所だけなんだよな……

 この土地は魔力が薄いからハイスライムメタルですら出づらい。

 流石に王都付近まで行く訳にはいかないし……


「こればっかしは仕方ないな……」


 まっ、とりあえず帰るか。


「空間転移――」


 


 月末に「泉の洞窟」に行った日から早くも一週間が経った。

 良いレベリング方法を考えてみたがやはり思いつかない。

 少しリスクを背負って自分より強いモンスターを倒す以外にはね。


 死のリスクはあるものの、俺には『空間』属性がある訳で、いざとなった時は"空間転移"で逃げちゃえば何の問題もない。

 という訳で俺は暫くの間はグリッド領に唯一存在しているダンジョンに潜る事にした。


 グリッド領にあるダンジョンは少し特殊で、雑魚モンスターが出てこない。

 全20階層で構成されていて、各層事にボスモンスターが1体だけ出てくる。


 そう言うと特別に聞こえるかも知れないが、こういうダンジョンは別に珍しい訳では無い。

 グリッド領のダンジョンは難易度事態もそこまで高く無く、攻略推奨レベルは確か……100だったかな?

 そんな訳でストーリー中盤位になれば簡単にクリア出来る難易度だった。


 とりあえず学園入学までに攻略でも目指すか。


 と考えていたのが昨日で、実は今そのダンジョンに来ている。


 グリッド家ではこのダンジョンをクリアしてやっと一人前として考えられているんだよな。

 ケイトはレベル75で現在は15層まで攻略出来ているらしい。

 カールは挑んですらいない、父親もカールに関しては戦闘面より頭脳面や世渡り上手って所を評価しているんだよな。

 サーラは7層まで攻略出来ていた。

 

 勿論父は攻略済みでマーラ様も攻略は終わっている。

 そう考えるとマーラ様は絶対に正攻法でクリアしてないな……

 今100レべルでクリアしたのは何年も前だ。

 おおよそ、特殊な魔法道具でも使ったのだろう。


 まっ、どうでもいいけど。


「よし!入るか」



 ――こんな感じなのか……

 ダンジョンに入ったら直ぐに扉があって、恐らくここに最初のボスがいる。

 まぁ、入れば分かるが下の層の敵は相手にならないから気楽に行こうか。


 (ガチャ)


 扉を開けたら大きな部屋になっていた。

 アレが最初のボス(?)だな……


 俺の目に映ったのは…ラビットホーンだった。

 このダンジョンは1層降りるごとにレベルが5上がって行く…最初の敵は5レベルで最終20層になれば100レベルの敵が出る。


 そんな訳で最初は適当に攻略して行こうか。


「えいっ!」

 (ゴツン)

「キュュュー」


 ラビットホーンは一発殴ったら倒れた。

 

 とりあえず限界まで行こうか――


 2層―ダッシュウルフ。 ファイアボールで1撃

 3層―ハイスライム。  ファイアボールで1撃

 4層―オーク、     ファイアボールで1撃

    ・

    ・

    ・

 8層―ポイズンフロッグ。『無効』があるので余裕。

 9層―ゴーレム。    ファイアボールが効かったが、レベル40で覚えたファイアアローで貫けた。

 俺は苦労無く10層まで来た。


「10層は…トロールか……」


 凄い見た目だな…涎垂れてるし……

 レベルは俺より5以上高いけど弱点が火属性だしさっさと倒しちゃお。


「ファイアボール――」

「フガーー」


 流石に1撃じゃそこまでダメージは入らないか……


「ファイアボール――」

「ガァーー」

「ファイアボール――」

「ガァァァァー」


 3発で瀕死か…まぁ、レベルは上と言っても弱点突けばこんなもんか。

 この感じだと"ファイアアロー"だったら2発で倒せたかもな……

 まぁ、いいや、終わらせよ。


「ファイアボール――」


 んーもう少し行けそうだけど、時間的にも帰った方が良いかな…

 レベルも45になったしな。

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