第2話 ステータス確認

「よし!試してみるか」


 食事を終え、庭に来た俺は自分の力を一つずつ試す事にした。


 『基本属性』:『火』『無』

 『特殊属性』:『浮遊』『隠密』

 『希少属性』:『空間』

 『単一スキル』: 『鑑定』(A)『無効』(S)『魔法特攻』(A)



 とりあえずスキルから確認するか。


 まず前提として単一スキルとは属性関係なしに使えるスキルで後天的に入手可能で――属性はその属性でしか使えない魔法で、後天的に入手不可だ。


 つまりは単一スキルは個で存在していて、属性魔法はその属性ごとにいくつもの派生魔法があると言う事だ。


 ちなみに単一スキルは10個まで覚える事が可能だ。

 付け替える事は可能だが、わざわざ教会で祈りを捧げて、それを1か月続ける事でやっと1つの単一スキルを消すことが出来る。

 まぁ、面倒くさいな。


 最初に『鑑定』だ。

 これは分かりやすく、生きている生物ならば、ステータスの確認が魔法道具無しで出来る。

 『鑑定』にはランクがあり、最低がBで最高がSランクだ――ランクが低いと見れる情報も少ない。

 

 そして『無効』。

 これはまじで最高なスキルだ。

 『無効』という名前だけあってありとあらゆる事を無効にする。

 デバフ、呪いなどの状態異常や鑑定で見られても無効化出来る。

 勿論病気などにもならないから、このスキルが有ると無いとでは生きやすさが全然違う。

 ちなみに、物理攻撃や攻撃魔法は無効化出来ない。


 最後は『魔法特攻』だ。

 これはシンプルで、魔法攻撃の威力が上がるスキルだ。

 当然だが分かりやすくかなり強い。

 確かCランクが最低で1.2倍、最高のAランクで魔法攻撃力が1.6倍だったかな?


 属性魔法については魔力が低いから使える魔法は少ないな…でも俺の初期魔力は20でかなり高い。

 故にかなり将来性がある。


 『火』はまだ初級魔法しか使えない――「ファイアボール」


 (どかーーん)


 うん、レベル1にしてはなかなか強いんじゃないか?

 魔法の威力は同じ魔法でも個人差や使う魔力で威力が変わって来る。

 

 まぁ、初期魔法はいいか。

 ざっくり確認すると――『無』は今使えるのが身体強化のみだ。


 次は『浮遊』だな――まぁこれは特に試す必要は無いな、慣れるしかない。

 浮くのはそんなに難しくないし、スピードはステータス依存だからな。

 コントロールの練習をするだけだな。

 

 『隠密』は、気配を消したり、周囲の音をを消したりできる。

 まぁ、暗殺者に持って来いの属性だな。

 それ以外にも使い道は多いからかなり役立ちそうだな。


 問題は『空間』だよな。

 とりあえず「アイテムBOX」だよな。

 これは便利過ぎる――食材の保管まで可能で容量は体力依存。体力=容量㎏。

 それに空間転移だ、瞬時に思った場所に移動可能。

 しかも使用魔力は距離関係なく10で、かなり低いのでレベルが上がれば戦闘でも乱発可能だ。

 この空間移動は1度行った所であればいつでも使用可能な上に接触さえしていれば他の人も一緒に連れていける。

 

 とりあえずこんな所か……

 

 属性を増やす方法は無いけど単一スキルは増やせる。

 取り急ぎ増やしたいのは――

 

 『サーチ』と『並列思考』かな。


 確か『サーチ』が1日に1000匹の同じ魔物を発見する――『並列思考』は1日に100冊以上の本を読むだ。

 どっちも一見難しそうに思うけどゲームの知識があれば簡単だ。

 

 魔物はゴブリンの巣を3つ回れば直ぐに達成可能だ。

 ゴブリンの子供もカウントされるし、別に倒す必要は無いから難しくない。


 『並列思考』の方はもっと簡単だ。

 これはバグ技みたいな事なのだが、本は特に指定されて居ないので自分で作ってもいい訳だ。

 その為本と認識されていれば良いので、1冊2ページの本を作っちゃえば良い。


 うん、簡単だね。

 ただ同じ本はカウントされないから本を作るのが少し面倒だな。

 まぁ、やるか。

 

 それから俺はセドリックを呼んで材料を用意してもらった。

 案の定訝しげに見られていたけど、何とか言い訳出来て用意してもらえた。

 そしてその日の夜になり、ようやく『並列思考』を得る事が出来た。


「よっしゃーーー!」

 

 うんうん、これが並列思考か……

 凄いなあれこれ同時に考えても問題ないな。


 あっ、一応言っておくと『並列思考』とかの単一スキルは別に最初から持ってる人も居るから、持ってる人全員が条件を達成してる訳では無い。

 てか俺はゲーム知識として知っているだけだから、この世界の人はスキルに獲得条件がある事すら分からないだろう。

 ゲームではたまたま条件を達成して手に入れた人は、神の祝福を受けたとか何とか言ってた気がする。

 まぁ、その他にはスキルスクロールと言う巻物があって、それで覚える事も可能だ――因みにスキルスクロールで覚えられる単一スキルはかなりレアでスキルスクロークでしか覚えられない。


 明日からは『サーチ』を得る為に行動して行かないとな。


 その為にまずレベル上げして最低でも4回空間転移を出来るようになる必要がある。

 ゴブリンの巣はここから近い訳じゃ無い、3つの森を行き来するなら空間転移は必須だ。

 その為魔力の最大値を50まで上げる必要がある。


 空間転移4回で良いなら40で良いのではと思うかも知れないけど『浮遊』のスキルも使わないと行けないから50は必要だ。

 因みに『浮遊』は魔力をほとんど使わないで使用可能だ。


 魔力ポーションを使えよって思うかも知れないけど、ポーション何て買ったら父親にばれてしまう。

 今はなるべくこっそりと行動したい。


 レベル上げに関しては良い方法はあるんだけど今はまだ使えない方法だから、とりあえずは正攻法でやるしかない。


 明日からスライム狩りだな……


――――――――――――――――――――――――――――――――――

★現在のステータス


 『名 前』:キース・グリッド(男)

 『年 齢』:14歳

 『種 族』:ヒューマン

 『身 分』:公爵家3男

 『レベル』:1

 『体 力』:20

 『魔 力』:20

 『基本属性』:『火』『無』

 『特殊属性』:『浮遊』『隠密』

 『希少属性』:『空間』

 『個別スキル』: 『無効』(S)『鑑定』(A)『魔法特攻』(A)『並列思考』(B)


 この世界では一応、魔法とスキルは別々で考えられています。

 魔法は魔力を使用して発動する。

 スキルは魔力無しで発動できる。

 分かりずらいかも知れなかったので、これからは属性魔法はスキルと呼ばずに魔法と呼んで、単一スキルのみスキルと表現するようにします。

 特に違いを理解しなくてもストーリーを楽しむ分には何の問題もありません。

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