第7話 一過性のマインドソウル2


 そしてまた、地獄のような朝が再び来る。

 俺は急いで飛び起きてスマホの時刻をを見た。

 映し出された日付は『2021年15日午前7時』昨日と全く同じ日付だ。

 一応下に降りて母さんにも尋ねたが、それは前と全く同じ答えだった。

 これは本当にどういうことなんだ?日付が変わっていない......よな。本来で有れば今日は『2021年17日』で無ければならない。

 多分、止まっているんだ。この日を境にこの世界自体が。

 もしかしてなんだけども、俺はこの日を何度も繰り返しているのか?

 俺は疑問を提唱し、よく考えたが、まったくもってわからなかった。こんな非科学的な事、高校生には分かるはずもなかった。

 まず、この現象は科学的にありえないだろ。

 しかし『今』起きてしまった。

 それは意図せずに。

 これは恐らくタイムループだ。

 俺はきっとこの、2021年15日午前7時を何度も繰り返すことになっているのであろう、というのが俺の仮説だ。

 そして、俺はそのタイムリープ説を確認するために、学校へいつもより急ぐ。

 息を切らしながら教室を力いっぱい、思いっきり開ける。

 するとそこには、また昨日死んだ筈の高見が平然とそこにはいた。

 生きている。タイムループは、本当なのか?

 そしてなんやかんや変わらない時間を過ごして居るうちに、運命の3時間目が終わった。

 休み時間になり、お腹がすきはじめた。

 俺はライトノベルを取り出して読み出した。そろそろ、高見が俺に心霊スポットへの誘いを切り出す頃だ。

 するとコチラに気づいた高見がどんどん近づいてきて、やはり俺にこう問う。


「なあ、知ってるか?カズ。最近話題の妙な噂を。」


 俺はこの瞬間ビビッと来た。

 様々な可能性を瞬時に巡り合わせて、その答えを導き出した。証明された。

 この瞬間、今までの事が疑問から確信へと変わった。


「噂って?」


 そして、俺は高見の話をあくまでまったく知らないふりをした。

 あくまでも、しらばくれたのだ。

 どうせこの会話がもう既に、3回目だなんて信じて貰えないだろうし、逆にそこで茶々入れる事になると、俺があいつからかなりの#変人__クレイジー__#だと思われそう。

 いや、多分既に#変人__クレイジー__#だと思われてると思うけどそういう問題では無いのだ。

 .......やっぱり繰り返しているな。

 この世界で一番最悪な一日を。この最悪な運命を変えるのは俺次第なのかもしれない。俺が運命の分岐点に立っているのか。


「いやね、その噂話によるとこの近くの廃病院に女の霊が出るって噂。ほんでな、今日何人かで肝試しに行くつもりなんだけど、どうかな?お前も来るか?たぶん面白いぞー。あんな霊の出そうなところ滅多に無いからな。時期も時期だしなー。」


 日に日に会話が変わったりすることに気づいた。もしかしたら完全に同じって訳じゃ無いのかもな。

 そしめ、俺は高見の誘いに迷わず了承する。


「それ、かなりおもしそうだね。よし、じゃあ俺も行く。その廃墟に。」


「おお!!やっぱりお前ならそう言うと思ったぜ。さっすが心の友だなぁー、このこの。」


 それ、少しダルいぞ、高見。


「よーし、じゃあわかった、そんじゃあ授業が終わった後廃病院の前に集合な。俺、先行ってるからな。」


「おう、分かったよ。」


 そして、教室のチャイムが鳴り響く。これはほんの序章に過ぎない。始まったばかりなのだ。

 この悲惨な運命を変えるのは俺しかいない。俺がコイツらを救うしか無い。もうこんな悪夢なんてごめんだ。救えないループなんて嫌だ。ただ同じ事を繰り返す毎日なんてごめんだ。くだらない戯言など俺には必要ない。だから、俺は、俺だけにしかできない事をやる。俺は、繰り返される運命に抗ってみせる!!

 おとといきやがれ!!

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