ヒロインが病んでいく様を楽しみたい方へ

病んでいくヒロインのアンリエッタ周りを見るに転生カイン君が出てきた事で悲劇のヒロイン√確定、ファントムと領地・立場の二択を迫られた時点で詰んでる

あの選択は実質ファントムと領地ではなく、ファントムと魔眼が迫害されない世界との二択
後者は立場(領地・領民持ち、王国が認めた勇者)が無いと正統な手段が取れず、実現のため動けば武力行使が必須となり無関係な人間が犠牲になる

また領地・領民に関してはアンリエッタ(の一族)失脚後、領主となる可能性が一番高いのは転生カイン君。アンリエッタに執着があるのは言わずもがな、起因が愛憎いずれにせよ彼女が愛してる土地を確保する動機になる
魔王討伐パーティー(結果として残った唯一)の転生カイン君が領地として望んだなら、国に恥をかかせた(国のイベントを無視してファントムを追った)勇者の故郷を与えない理由が無い
これはアンリエッタの転生カイン君への印象も有り魔王討伐の最中に見た「領主の行いで不幸になる民」を連想させるに充分な材料でもある

以上の事からファントムを選べば幸せと言えるエレナ、セリスと違いアンリエッタのみどちらを選んでも不幸せになる二択と言って良い

結果として愛する魔眼保持者と魔眼保持者が迫害されない(あるいはそれを作るための犠牲が少ない)世界のどちらを選ぶかというトロッコ問題めいた選択肢、犠牲のその先に伸びたレールがどうなっているかは当然ながらわからない
突き付けられたのはそんな二択

これらの事柄はアンリエッタには変えようがなく、軽く表現して「仕方ない」「立場がある」きちんと受け止めるなら「可哀想」「悲劇のヒロイン」と評するに不足はないと思う
ここから始まる物語

ある時は正しいと思った行動が裏目に、またある時は狙ったかのような不運に襲われどんどん弱っていくアンリエッタはもちろん、病んで追いかけてくる賢者と聖女、正統なヒロインしてる弟子、事務員、魔王とヤンデレや曇らせが苦手な方でも楽しめる作品です

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