換喩
みなさん、「比喩」という言葉が聞いたことがあると思います。何か似ているものと比べることで、対象を遠回しに表現する技法のことです。
例えば葉の生い茂っている木を「ブロッコリーみたい」と表現するのは比喩表現ですね。何かに例えること。比況表現と呼ばれることもあります。
そして今回のメインとなる「換喩」は、何か関連のあるものに言い換えることで、対象を遠回しに表現する技法のことです。
例えば木々が風に揺れている場面を「森はガサガサと風に揺れている。」と表現した場合、「木」という主語が「森」に置き換えられていますよね。これが換喩です。
もっと分かりやすい例も紹介しますね。千円札を野口英世、または北里柴三郎と呼ぶのは換喩表現です。だって野口英世や北里柴三郎と千円札は似ていませんよね。関連があるだけです。
もう1つ例を見てみましょう。「手を貸す」という表現は実際に手を取り外して貸してやるという意味ではありません。私たちは腕を取り外すことができませんから、結局、労働力を担う肉体まるっと1つを貸し出す必要があります。
例えばサッカーの試合に助っ人として出場することは「手を貸す」と表現できます。サッカーで手を使っていいのはゴールキーパーだけですよね。貸し出しているのは結局、全身です。
「平和」を「鳩」で表現するのも換喩ですね。換喩は象徴的な表現と相性がいいのです。
私の小説には換喩表現、言い換えれば象徴的な表現がいっぱい出ているんですよね。『環は刃を当てれば切れるんだ。』の第1章に登場する「チラシ」は「手紙」として換喩されています。もちろん「おもちゃの包丁」だって暴力の象徴です。
Violet(菫色)のN-BOXの6台目に積みあがった車両というのも、Violent(暴力)に関連付けるための言葉遊びと言いますが、広義の換喩表現になっています。
第2章にから登場し始める「喫茶ヨム」、「クリームソーダ」、「アイスティ」、「ホットの紅茶」、「ロイヤルミルクティ」なども何かの換喩ですよ。何かを象徴しています。何を象徴しているのかは作中のテキストではまだ明記していませんけどね。
どうですか。換喩表現。面白くないですか?ぜひ、みなさんも執筆の際に意識して使ってみてください。
では今回はここまで。
ご読了ありがとうございました。
よいお年を
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