第4話 みかんは納豆が嫌い!
今日はみかんが僕の家に来ていた。
「いやあ~なにする?ゲーム?」
「う~ん、オラ、お腹すいた。」
そうきたか。
「お腹空いたねぇ。」
僕は冷蔵庫を開けた。
「納豆とチンするご飯ならあるけど?」
「ええ~、オラ、納豆嫌いなんだよね~。」
「ん~、でも納豆と白飯以外ないよ。コンビニ行く?」
「ん~、歩くのダルい!お腹空いた!」
「選ぶしかないね。」
「お~ん。」
「最後に納豆を食べたのはいつ?」
「え~と、小2くらいかなぁ。口に入れたけど吐いた!」
「もう10年前か。みかんちゃんも成長したし、今なら食べられるんじゃないか?試してみなよ。」
「ん~、いや、お~ん、それじゃあ。」
僕も小学生の頃は梅干しが嫌いだったけど、今は食えないこともないからなぁ。
3分後…
チンと音が鳴ったのでレンジから取り出す。
みかんは白飯にまぜた納豆をかけて、口に入れた。
「どう?」
「う~ん、小学生の頃に比べたら、マシにはなったけど、あんまり好きじゃないなぁ。」
「それじゃあ、ネギを入れてみるか。」
僕は刻みネギを納豆の上にかけた。
みかんは箸で納豆とネギをまぜて、また口に入れた。
「どう?」
「お~ん、ちょっぴりはマシになったけど、あんまだなぁ。」
「う~ん、それじゃあ、刻みたくあんと刻み海苔を入れてみようか。」
僕は刻みたくあんと刻み海苔をかけた。
みかんは再び箸でまぜて、口に入れた。
「どう?」
「あ~ん、んん、いや、マシにはなったんよ。でも、やっぱ好きにはなれねえなぁ。」
「そうかぁ。それじゃあ、最後に卵をかけてみるか。これでダメだったら諦めよう。」
僕は皿に卵を落として、醤油を加えてかき混ぜた。そしてそれを納豆ご飯にかけた。
「なんか前にネットで見たやつだと、最初に卵かけご飯を作って、卵かけご飯の上にに納豆をかけるやり方だったけど、今回は順番が逆になっちゃったな。まぁ変わらんか。」
みかんは箸でまぜて、口に入れた。
「どう?」
「ん~、すまんがやっぱ好きになれんなぁ。」
「そっかぁ…」
僕たちが落ち込んでいると、ピンポンと音がした。
「ん?誰だろう。」
僕は玄関に行き、ドアを開けた。
立っていたのは、みかんの友人・
「ヤッホー、キヨシくん!みかんちゃんもいるかな?」
「あ、イクミちゃん。どうも。」
みかんが走ってきた。
「あ、イクミ~!どうしたよ!」
「昨日の夜、みかんちゃん、明日の夕方3時くらいにキヨシの家に行くって言ってたじゃん。さっきまで21世紀公園でアイス売ってたから、来ちゃった!」
「おお、そうかぁ。今日もアイス売りか。偉いなぁ。」
「キヨシくん、上がっていい?」
「あ、はい、いいですよ…」
緊張で敬語になってしまった。
「うわ、納豆臭い。」
「ギャハハハ!そうなんよ、さっきまでオラが納豆ご飯食えるか試してたんよ。」
「なるほど、どうりで…」
「ま、窓でも開けるか。」
僕は窓を開けた。
「いやぁ、ここがキヨシ君のお家かぁ。何気に初めてきたかも。」
「ああ、まぁ、なんもないけどゆっくりしていって。」
「お母さんとかはお仕事?」
「ああ、なんか、僕んち、ワンちゃんを飼ってるんだけど、今日はなにかは忘れたけど、なんかの病気のワクチンを受けに病院に行ってるんだ。」
「おいおい、このタイミングで来たら、めちゃくちゃ気まじぃよ。オラ、納豆ご飯勝手に食って、しかも残しちゃったし。」
「まぁ、さすがに怒らないさ。」
「ほ~ん。んでよぉ、3人でなにするよ。キヨシんちに長居するのもアレだし。」
「あ、そうだ。さっきみかんちゃんが納豆ご飯食べれるか試してたって言ってたよね。」
「おん。」
「最近、サーティートゥーで納豆アイスっていうのを発売し始めたんだけど、試食してみる?」
「お!いいねぇ!キヨシも気になるだろ?」
「う、うん。」
「ちょっと、キッチンカーから持ってくるから、外出ようか。」
僕たちは外に出て、その納豆アイスとやらを試食することにした。
イクミちゃんがキッチンカーのなかで色々やってる。
あ、小さいプラスチックのスプーンを持って出てきた。
「はい、どうぞ。」
僕とみかんはイクミちゃんからスプーンを受け取った。
納豆みたいな色をしたアイスクリームだ。
みかんが先に口に入れる。
「あ、美味しい。」
「本当!?」
「おん、納豆嫌いのオラでも普通に食える。」
「それは良かった。」
続けて僕も口に入れてみる。
「うん、悪くないね。美味しいよ。」
「良かったぁ。不味いって言われたらどうしようと思って。」
「いやぁ、うめぇよ。普通に食える。」
「良かったぁ。」
「おかわり!」
強欲!
その後、みかんは10回くらいおかわりして、イクミと帰っていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます