第7話 後悔する者達


●青高のはじめの居たクラスにて


教育委員会の査問会でクラス担任は更迭され、新しく別の教員が担任となったが、校長は減俸と訓告されたが慰留となった


「この度、花田君は他校に転校する事になりました」


(どうすんだ・・謝罪の場も無くなった・・俺達の内申点・・)(アンタらのせいよ!!何とかしてよ!)


「静かに!!この状況もお前ら全員の責任だ!自分達で自覚して相応のペナルティを受入てペナルティ分を挽回できるような模範生になればいい!」


「そう、花田君のようにな!」


(・・・・・・・・)クラスは静まり反る、新しい先生の言葉にぐうの音も出ない


●昼休み葉子の教室


「葉子ちゃん!花田君・・はじめちゃんが転校するって聞いたけど!!」


「ああ、紫苑ちゃん・・・そうだよ?」


面倒そうに答える葉子にさすがにイライラしたのか【バン!!】葉子の机を思いっきり叩き睨み付ける


「そうだよって、私なにも聞いてないよ!!どうなってんの?」


葉子は冷たい目で紫苑を睨む


「なんでアンタにそんな事、教えないといけないの?」


「なんでって!私は、はじめちゃんの幼馴染で、「幼馴染のはじめが好きで、告白したけど忘れられてる事に腹を立てその場で殴ってその後、高田君に乗り換えた双木 紫苑さんでしょ?」


「なぁ!!私乗り換えてなんか「でも二人でデートもしてるし、お互いの家にも行き来してるよね?もしかして、する事済ませた?」


「ちっ違う!そんな訳ないでしょ!!ただ私は翔君に相談を「翔君・・前は高田君だったのに随分と距離を縮めてるね、はしめに距離を置こうって言ったの紫苑ちゃんだよね?」


「高田君と手を繋いで映画館に行ったり、二人で食事に行ったり、お互いの部屋に遊びに行くのが相談する事になるとは知らなかった「・・・そういう・・・


「ん?「そういう葉子ちゃんはどうなの!知ってるのよ!!大山君に告白されて付き合って「断ったよ」・・え?」


「私は断った・・確かに私も紫苑ちゃんと同じように言われた【分からない】って、たしかにショックだったけど辛そうな、はじめを見て一度冷静になろうと思った」


「聞くけど、紫苑ちゃんはその時にはじめの顔をちゃんと見た?どんな顔してた?」


ばつが悪そうに、動揺しだす紫苑に


「結局自分の事しか考えてなかったって事でしょ?高田君との関係がどうだろうと、あんな仲睦まじい姿を見せられて、はじめが紫苑ちゃんの話しをちゃんと聞くかな?」


「そ、それは誠心誠意謝って・・「はじめ、分からないって言った後、謝ってなかった?」・・そ、それは・・」


「まぁ私には止める権利は無いから、謝るなら好きにすればいいよ」


「う、うん、今日お邪魔して「ああ、はじめもう家には居ないよ、一人で引っ越したから」・・え?うそ!?」


絶望の表情をうかべる紫苑に葉子が告げる


「私も場所は知らないから、両親も【はじめの許可がないと教えない】て教えてくれないし」


「紫苑ちゃん、私達は間違えたんだよ・・・言われた事をそのままいうね」


【いいかよく聞け、記憶を無くしてますとか自分で言えるのはテレビや漫画の中の話しだ、本当に記憶を無くしてる奴は記憶を無くした事も分からないからその自覚は無いんだよ!!】


【もういい・・・お前等との関係をすべて忘れておれは新しい環境で新しい関係を築く為に精一杯頑張るから・・・】


【だけど、お前らの気持ちを踏みにじったのも、また事実だ・・・本当に済まなかった・・・】


「そう言う事だから、紫苑ちゃんが高田君と付き合おうが、デートしょうが自由だから・・・」


「そ、そんな・・・葉子ちゃんは・・・葉子ちゃんはどうするの!?」


強い目で紫苑を睨みつけると


「私の気持ちはそんな簡単じゃない!!断られたから、傷つけたから、傷ついたから、そんな理由ではいそうですか、って諦められる想いじゃないの!!すぐに他の人に気持ちが変わるアンタとは違う!」


「葉子ちゃ・・・ん・・・」


「私は諦めない、はじめが新しい関係をつくるなら私も、もう一度新しい関係をはじめと作る!」


「だから、紫苑ちゃんの謝罪の手伝いは出来ないから、高田君と幸せにね」


そういうと席を立ち葉子は立ち去る


「私・・・どうしたら・・・」




●放課後のサッカー部の部室


「な、なぁ、紫苑、はじめの奴に俺達が謝罪したいって伝えてくれるだけでいいから・・頼むよ・・」


「・・・・・翔君が自分で言いにいけば?」


「い、いや・・おれは・・・」いつもの威勢はどこにいったのか


「私が言いに行くの可笑しいでしょ?実際にはじめちゃんに絡んで行ったの翔君でしょ?」


責められて私の言葉にカチンときたのか急に声を荒げる


「元はと言えばお前が、はじめに酷い振られ方したって俺に言ってきたからだろ!!!」


「そ、それは私が泣いてる所に、きて翔君が理由を聞くからじゃない!!わたしが自分で言ったような事言わないで!!」


【ガシャ!!】不機嫌そうにサッカーボーの入ったカゴを蹴る翔


「ちょっと!!備品に当らないで!!」


「あああ!!もう、どうしたら良いんだよ!!」


その時部室に大山君が入ってくる


「だ、大樹、どうだ?大会には出れそうか?なぁ?俺達大会にでれるよな?な?」


静かに首を振る大山君に翔が掴みかかる


「おい!キャプテンだろ!どうにかしろ!!俺達の大事な大会だぞ!!」


【ガシッ】大山君が翔君を突飛ばし、サッカーボールの入ってるカゴにぶつかる


「言われたよ・・・サッカーはチームスポーツ、皆が一人の為に力を合わすどころか、皆で一人を追い込み追い出す、そんな部活サッカーとは呼べないと・・・」


「え?まさか・・・・「ああ、廃部だ」・・・・はぁ、ふっざけるな!!」


「そ、そうだ、葉子・・・葉子はどうだった!!お前、葉子の事好きで、この間告ったんだろ?」


「葉子君は・・・はじめの事しか見てないからと・・・」


「はっははって、何振られてんだ!!テメェ!」


振られた事のショックもあるのか大山君は酷く落ち込んでる様だった


「後・・・これは職員室で聞いた話だが、はじめは赤羽学園に転入するらしい」


「な、なにぃ赤羽ってこの間、練習試合した!?」


「そうだ、しかもそこのサッカー部の監督に気に入られて向こうから、是非来て欲しいと声を掛けた様だ」


翔はそばでフラフラと壁にもたれ掛かり【ドンッ!】と強く壁を殴る


「それじゃ何かぁ?あいつは俺からサッカーを奪って、自分は名門でサッカーを続けるって事か?あぁぁ?」


【ガシャッ!!】「やってられっかよ!!」


「双木・・・翔を頼む・・・」「え?何で・・「聞いたぞお前等付き合い出したそうじゃないか・・・」彼女として支えてやってくれ」


「え?そ、そんな・・どうして?「ん?何日か前に翔が皆に自慢してたからな俺は紫苑と付き合ってその場でキスしたって」・・・うそ・・・そんな・・・」


「え?なんだ?違うのか?・・・まぁお前等が仲良くデートしてるのは何人も見てるしな今更だろう・・・お前は、はじめの事忘れられてるのにな・・・葉子君は・・・・」


(私は何で葉子ちゃんの様に、はじめちゃんを見てあげられなかったんだろう・・・もう私ははじめちゃんを好きになる資格は無いの?・・・有るわけ無いか・・・私は自分で関係を資格を手放したんだ・・・)


●はじめの新しい部屋



「はじめ、こんな所かな」


引っ越しの片づけに義母が来てくれ手伝ってくれてる


「ああ、助かったよ義母さん、俺おコーヒー淹れるね」


テーブルで義母とコーヒーを飲みながら話は葉子の事になった


「はじめ・・葉子にもここの場所言ったらダメなの?」


「ゴメン・・義母さん・・俺は葉子を傷つけた「でもそれは・・」・・事実だよ・・理由はあっても結果は変わらない」


「でも・・・葉子は毎日部屋で泣いて苦しんでるよ・・・きっと後悔してる・・その事も事実でしょ・・」


判ってる・・だれも悪くない・・・でも・・・


「俺・・・赤学でサッカー部に入るよ・・・もう一度、はじめから頑張ってみるつもりだ・・そしてもしレギュラーになって大会に出れるようになったら・・」


「分かった・・そう葉子に伝えとく・・その時までに葉子の気持ちが変わって無かったなら・・葉子を応援に行かせて構わない?」


「・・・・」俺は黙って頷く


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