第12話Disrespect

 とりあえず3つの問いは完成した。


 では本編について考察しよう。

 僕が聞いた話では、「キジマさん」は交通事故によって顔を失ってしまった女性である。

 不幸な事故の後、自分の変わり果てた姿に絶望したのか、また事故を引き起こした運転者を呪っているのか、「キジマさん」の浮かばれぬ魂は幽体となって事故現場に留まり続け、その姿を幾人かの人々に目撃される事となる。

 幽霊が存在するかどうかは別にして、僕が聞いた「キジマさん」の話は起きた事実のみだ。

 事故に遭った女性が顔を失って幽霊になりました。

 とこれだけである。


 この話を聞いただけで、その幽霊がわざわざ聞いた者の元を訪れるというのは合点がいかない。

 「キジマさん」が訪れるにはそれなりの理由があるのでは無いだろうか?


 またもや僕の想像で語らせて頂くが、

 事故の後、「キジマさん」の幽霊が目撃された時、その目撃者達は面白半分、興味本位で「キジマさん」の事を語ったのでは無いだろうか?

 現場の交差点は心霊スポットにされていたかもしれない。

 ディスリスペクトである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る