第5話聞いた話
僕が記憶している「キジマさん」のお話はとてもシンプルだ。
ある交通量が多く、交通事故も多発する交差点の一角に「キジマさん」という女性が住む家があった。
ある日、暴走したダンプカーが「キジマさん」の家に突っ込んでしまった。
家で寝ていたキジマさんはそのダンプカーに家の中で轢かれてしまい即死してしまう。
この事故以来、その交差点には顔がグシャグシャになった女性が立っているのが目撃される様になった。
以上である。
僕はこの話をお話ししようかちょっと迷っていた。もしこれを読んだ人の元へ「キジマさん」が訪れたらどうしようかと、心配していたのだ。
でも、僕は50年の時を経て気が付いた。
僕を含め、僕の周りに「キジマさん」と遭遇した者は誰一人いない。「○組のXXのところに来たらしいぞ」なんて噂もあったがそれはデマだった。
もしかすると、僕らが聞いた「キジマさん」の話は不完全だったのではと気付いた。
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