第4話3日間の伝説
次の日になると、昨日のプチパニックとは異なり、割と皆落ち着いていた。
恐らく皆、帰宅後に親やその他大人達にこの「キジマさん」問題を相談したのだろう、そして大人達に諭されたのだ。
子供であるから、1日経って単に冷めて(or飽きて)しまったのもあるのかもしれない。
だけど僕は怖くて堪らなかった。
そして3日目が訪れた。
子供の頃から寝付きが悪かった。(大人になったら立派な不眠症になった)
僕は家の2階で母と並んで寝ていたのだが、母は隣で熟睡している。
僕は目をランランとさせ、足元の部屋の入口をずっと見つめていた。誰か侵入者があれば、まずそこに現れるハズだからだ。(でも幽霊だから突然現れるかもしれない。だけどなぜか入り口から来ると確信していた。)
いつの間にか気がつくと朝になっていた。
「キジマさん」は僕の所には来なかった。
学校では、何人かの生徒が「来なかったね」「来なかったな」と語り合うだけだった。
僕も友人と「来なかった」事を確認し合ったが、あまり真剣だとそれはそれで恥ずかしいので、努めてサラっと「来るワケないじゃん」の体で語っていた。
初日の騒ぎと裏腹に3日限りの「キジマさん」伝説は終わりを告げた。
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