第2話てんやわんや
問いが判らぬのに答えだけが用意されている、まるでカンニングなのだがクラス中がこの答えを暗記した。
もちろん小学校低学年の癖に妙に大人ぶって、「こんなの来るワケないよ」と冷めた輩もいるにはいたが、クラスの大半は信じて?この答えを求め、一語足りとも間違えぬ様にノートや藁半紙のプリントの裏に書き写した。
小一の時分からオカルト好きだった僕は、ノートの1ページを破りその答えを前の席に座っていた女子から書き写させてもらった。その書き写したページの様子は
僕もいくらオカルト好きでまだ子供だったとは言え、本当にキジマさんが来るかどうか半信半疑と言うか、来るワケないと思ってはいた。でも、万が一、もしかしたら、
そうなのだ、来るワケ無いけど来るカモしれないのだ。
僕はもしもの為にこの答えを必死で暗唱した。覚えるのに大した苦労は要らないが、そのもしもの時、深夜自分の枕元に現れる顔がグチャグチャになった女性からの問いに正確に答える必要があるからだ。
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