第16話 望遠鏡を担いでも見えない物は見えない1
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M22と森下悟達は夜明けと共に行動を開始しました。
車の中で眠ったせいで、純有機生命体組の三人は辛そうです。こちらは夜通し警戒していたので、夜露に濡れて不愉快な思いをしたのでそれぐらい我慢してもらいます。
M22は、ルールス達にパナナルナノスをけしかけた者達の襲撃を警戒していたのですが、予想が外れてしまいました。
見失ったのか、機会をうかがっているのか、分かりませんが、M22の想定よりも相手は間抜けか、決断力に欠ける相手のようです。
M22と森下悟達は、エルダスパーク星で借りられる観光用車両の助手席に乗り込むと宇宙港に向けて出発しました。
M22の
元よりこちらには、宇宙で有数の大企業であるソルン社のお家騒動をどうにか出来るリソースは有りません。
それは森下悟も理解していましたし、ルールス達も期待などしていないでしょう。
森下悟が示したように、今回の
ならば、最短、最速でそうすべきです。
「ナビにルートを入力しました、ナビに従って最速で宇宙港まで向かってください」
運転席のバレス氏にそう告げると、不思議そうな顔が返ってきました。
「最短ルートではないようだが?」
ちゃんと仕事してますね、しかも常識的。
どうしましょう? 転職の自由という物が欲しくなってきました。
「本機のセンサーで警戒が容易なルートです」
M22がルートを選定した理由を告げると、バレス氏はすぐに納得してくれました。
銃を返したのが有効に作用しているようです。
読者の皆様(ここまで読んでいるという事は、かなり暇な人生を贈っているのでしょうね、羨ましいです)は、後部座席で交わされる、かなりヘビーなSFオタクの会話になんて興味は無いでしょうから、そちらに付いてはざっくりと省かせて頂きます。
あの熱の入り方では、早晩SFの定義とは?という話題になって戦争でしょう。
M22は後部座席で、最優先護衛対象と優先護衛対象が殺し合いを始めない事を祈りながら、バレス氏に出発するよう伝えました。
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