第6話 自己紹介をしましょう、それは対人関係の第一歩です6

 森下悟はM22の言葉で初めて相手の名前も知らなかった事に思い至ったようです。

 なんですかその、そう言えば、みたいな顔は。


 それは女性も同じだったようで、恥ずかしげに顔を伏せて小声で「私ったら」と呟きました。


「申し遅れました、私はロンドロス星出身のメリダリ・ルールス・サスサースと申します」


 地球の習慣に倣ったのかメリダリ・ルールス・サスサースが軽く頭を下げます。

 それに慌てたのは青い髪の男性でした。


「姫様、迂闊にお名前を仰られては!」


 岩から半ば腰を浮かせてM22達を警戒も露わに見てきます。


「バレス、助けられておいて今更でしょう」


 それを苦笑でメリダリ・ルールス・サスサースが諫めます。

 それにしても長いですね、グーグル検索によるとロンドロス星人の姓名は家名・名前・個人性という並びらしいので、ルールスと呼びましょう。


「彼はソンフ・バレス、私の護衛です」


 そう紹介されたバレスはロンドロス星語で護衛対象の迂闊さを小声で愚痴りながら岩に座り直します。

 どうしましょう、彼に親近感が湧いてきました。


 M22は隣で「そうですか、二人ともよろしくお願いします」と恐らく地球規模であっても伝わりにくい日本人メンタルな返事を返す森下悟を見ながらバレス氏に同情します。

 まぁ色々ありましたが、これで二人が何者か、少なくとも名前は分かりました。


 自己紹介、それは対人関係の第一歩です。


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