第3話 自己紹介をしましょう、それは対人関係の第一歩です3


 M22は人間には不可能な動きで時速およそ六〇キロの速度を保ったまま後ろ向きに振り返ると、パナナルナノスの群れに向かって飛び込みました。

 群れの数はM22達を追っていたパナナルナノスも合流した結果、六頭にまで増えていましたが何一つ問題はありません。


 すれ違う瞬間に三頭のパナナルナノスの首を撫でていきます。

 瞬間、三頭のパナナルナノスは痙攣すると走る勢いそのままに地面へと倒れ込みます。


 どうやら参考にしたウィキペディアのページは正しい情報が書かれていたらしく、パナナルナノスは電気信号で筋肉を動かす動物だったようです。

 M22が違法改造でてのひらに仕込んだスタンガンが良く効いてくれたようです。


 森下悟が車の屋根の上でガッツポーズをとって喜んでいるのが見えましたが、危ないのでしっかりと掴まっていてほしいです。

 心配しているわけでは無いのです、これ以上余計な仕事を増やされたくないだけです。


 掌の生体部分が電撃で火傷をおって不愉快な痛みを報せてきますが三頭の巨大生物を殺さずに行動不能にさせる為の代価としては安いものでしょう。

 ちなみにパナナルナノスを殺してしまった場合はかなりの額の賠償を払わなくてはならないので、会社の為にもこの方法が最もベターでした。


 M22は残る三頭のパナナルナノスを行動不能にする為に直ぐさま反転し、今度は追い越しながら残る三頭に電撃を加えていきました。

 どう考えても余計な仕事に払ったコストとしては十分に安いと思えるものだったでしょう。


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