第8話
私は知らないベットの上で目覚めた。
「知らない天井だ」
「おいおい、【人生で一度は言っておきたい言葉TOP10】に入っているそれをいまここで使うのか」
「だって言いたかったんだもん」
「まぁわからんくもないが」
「でしょ」
「………」
少しの間沈黙が続いた。
「それよりここは女神様の言っていた楽園で合っているのかな?」
「気になるんだったら外に出てみればいいんじゃねぇか」
「それもそうだね」
私が寝ていたベットから離れこの部屋を出ると長い廊下が続いていた。ろうそくの火が怪しく揺れ続いている。
「窓はないのかな?」
「見た感じはそうだよな」
歩き続けていると階段が見えていた。
階段を降り続けているとやっと光が見えてきた。
「階段長過ぎ…っ」
「でも光が見えてきたぞ」
「見えたっ…」
そこにある光景に思わず見とれてしまった。そこはまさしく楽園と呼ばれるにふさわしいものが広がっていた。
まず一番に目につくのは、真ん中に立っている巨大な木。その周りにある透明な湖。次に東西に広がる木々。雲一つない空。全てがキラキラと輝いているように見えた。
「なにぼうっとしてるんだよ」
「いや何で驚かないの?」
「何度も見ているからな」
「えっ」
「どした行こうぜ」
「う、うん」
どこかの部屋のドアの前についた。
「ここだな」
「何が?」
「まぁ見てろって」
そういいながら、悠莉がドアを開けた。そこには大量の本があった。
「書斎だね」
「あぁそうだ。そしてここに女神が寄越した本があったはず」
「何で過去形なのかな?」
「おっ、あったあった」
そういって何かの本を渡してきた。
『この世界の常識本』
「…………」
「それでも読んどけって。一応お前もこの世界の住人なんだから、この世界のことを知っておかないと不味いだろ」
「……そうだね」
そういって私はこの本を読み進めた。
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