第22話 予知が失敗する理由2

 窓の外が明るくなってきた。

 夜が明けるのだ。


 リリッシェは布団を頭からかぶる、枕に顔を埋めた。


 結局、今日も全然眠れなかった。


 どうしよう。

 あれが予知じゃなかったらどうしよう。


 思うと、怖くて手が震えた。


 ライファン……。


 彼の姿がまぶたの裏に浮かぶ。胸がしめつけられた。


 そうだよね。


 目に涙が浮かんだ。


 わたしはいまだに、ライファンを諦めていない。


 子どものころから……。


 子どものころから、ずっとライファンが好きだった。


 だから、あんな予知を妄想したんだ。


 なんてバカな期待をしたんだろう。


 どうしよう。


「リリッシェ、王城に行く時間よ」


 母親がリリッシェの部屋のドアをノックした。


「今日は休むの? もう三日目よ」

 リリッシェは返事ができない。


「ねえ、今日はお迎えも来てくれているわよ。マーナレットよ」


 マーナレットとは王妃の名だ。


 宮廷聖女だったリリッシェの母親は、王妃の親友なのだ。

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