第20話 樹氷の森の舞踏会5

「ライファンはわたしの大事な親友だよ。何度もいったでしょ」


「親友……」


 リリッシェの言葉に、ライファンは立ちどまる。


 静かなまなざしでリリッシェを見つめた。青い瞳が揺れた。


「うん、ライファンはわたしの深い親友だよ」


 そうだよね? 絆は強いよね?


「本当に親友?」


「うん。大事な」


 リリッシェは目を凝らした。一瞬、ライファンの瞳が震えるように揺れた気がしたからだ。


 だが、降り始めた雪に隠れてよく見えない。


 粉雪がいくつも彼の髪に落ちる。ライファンの姿が雪にかすむ。彼が遠くに消えていくようだった。

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