第18話 樹氷の森の舞踏会3

 気がつくと、辺りは夕焼けに染まっていた。


 踊ったあと、リリッシェたちは木の根元で休みながら、樹氷を眺めていた。


 空の色に合わせて、樹氷の森の色も変わっていった。


「そろそろ帰らないとね」


「ああ、あっという間だったな」


 名残惜しかったが、リリッシェは仕方なく立ち上がった。


 ……え? とリリッシェは体制を崩す。


 ライファンがリリッシェの腕を引きもどしたからだ。


「どうしたの?」


「帰る前に、……話があるっていったの覚えてくれてるか?」


 リリッシェは記憶を辿るが覚えがない。

 ライファンは戸惑うようにうつむいている。急に見せる真剣な瞳に、リリッシェの息はつまった。


「あのな……」


「どうしたの?」


「俺は前から……」

 

「よお、ライファン」


 ライファンの言葉を遮って、誰かが彼を呼んだ。


 げっ、とリリッシェは目をみはる。ブルーナが立木の影から姿を現した。

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