第17話 樹氷の森の舞踏会2
「ねえ、ライファン。前にここで舞踏会があったよね」
三年くらい前のことだ。国王主催の舞踏会が開かれたのだ。
氷の上での舞踏会は、普通は考えられないが、この国の人間は雪や氷に慣れている。
それに、氷の上は流れるようにな特別なステップを踏むことができるのだ。
ライファンの想い出がよみがえる。
氷の上を踊るライファンの動きは淀みがなかった。人々の目を一身に集め、一番美しいと称賛されていた。
「じゃあ、また踊ろうか? リリッシェ」
ライファンはふいにリリッシェの手を取る。
「い、嫌だよ。わたしライファンみたいに上手じゃないもん」
「だいじょうぶ。リードしてやるよ」
ライファンは池に足を踏み出す。
抵抗がない氷の上に乗ると、急に体が軽くなったようだった。
ライファンと一緒に氷上を舞う。まるで自分の体ではないようだ。魔法にかかったみたいった。
ライファンは風に流れる羽のように踊る。くるんとターンして、長い髪が揺れる。
彼の後ろで、氷の風景がきらきら輝いた。
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